完璧主義に走ると、1冊の本を完全に理解しようと必死になります。しかし、そうした意識が強くなりすぎると、かえって読書への意欲を失ってしまう危険性があります。理解が進まないストレスから、読書自体に嫌気がさしてくるのです。
5%社員はこの危険性を熟知しており、適度に「完璧をあきらめる」ことで、読書を常に楽しみながら続けられる工夫をしています。
必ずしも1冊すべてを完全に理解しなくてもよいと開き直り、要点を掴めば次の本に進むのが彼らのスタイルです。知識の一部を犠牲にしてでも、前に進み続けることを選んでいるわけです。
つまり、彼らの読書法の肝は「場当たり的に読む」ことにあります。細部まで徹底的に追究するのではなく、概要を掴んだら次に進んでいくのです。そうすることで、様々な知識を幅広く摂取し続けるのが狙いなのです。
さらに付け加えると、彼らが100%を目指して読書をしない理由として、「視野が狭くなる」ことを強く警戒しているようです。
1冊の本を徹底的に読み込もうとすると、その本の考え方に深く浸かりすぎてしまい、他の視点を無視してしまう危険があるからです。
知識を完璧に理解しようと1冊1冊を深く読み込み、すべての情報を網羅しようとしてしまいがちな多くの社員とは対照的に、トップクラスの社員は常に多様な視点に触れ続けることを心がけています。
「70%を目指す」という考え方は、読書を続ける上で非常に重要なポイントでしょう。
完璧主義に陥らず、適度に要点を掴んで次に進むことで、読書への意欲を維持しながら、幅広い知識を吸収し続けることができるのです。
「サンクコスト効果」を
うまく読書に応用せよ
多くの人が「もっと多くの本を読みたい」と思っていますが、忙しい日常の中で読書の時間を見つけるのはなかなか難しいものです。
読書量を増やすためには、本を選ぶプロセスから、それを手に入れる方法まで、あらゆる段階において意識的なアクションが求められます。