ニデックは京都先端科学大
京セラは同志社、オムロンは4校がトップ

 24年のニデックのランキングでは、京都先端科学大学がトップに立った。近年、実践的な工学教育に注力する同大学が、即戦力を重視するニデックのニーズと合致したとみられる。

 続く同志社大学、立命館大学をはじめ、関西の私立大学が上位に並ぶ。また、名古屋工業大学や大阪工業大学など理工系に強い大学からの採用も目立ち、技術職・エンジニア中心の採用姿勢が鮮明だ。

 全体的に中部~関西圏に出身校が集中し、地域密着型の採用傾向もうかがえる。さらに、私立大学からの採用が多い点は、実務能力や柔軟性を重視する姿勢を反映している。

 京セラは、トップが同志社大学で、25人と他校を大きく引き離した。2位には関西大学、3位には大阪大学、九州工業大学、鹿児島大学の3校が並ぶ。

 特徴的なのが、関西圏に加えて九州の大学からも多数の採用がある点である。熊本大学も含め、九州の国立大学がランクインしているのは、京セラがかねてより九州に製造・開発拠点を複数持ち、現地採用に積極的であることの表れといえるだろう。

 さらに神戸大学、立命館大学、関西学院大学、東京理科大学など、幅広い層の大学がバランスよくランクインしており、文理を問わず採用の裾野が広いことがうかがえる。

 オムロンは、大阪大学、神戸大学、岡山大学、同志社大学の4校が首位で並んだ。

 特に大阪大学と神戸大学は、関西を代表する国立大学であり、技術開発・研究職など専門性の高い分野での人材供給源として重視されていると見られる。

 同志社大学もまた、オムロンと深い関係を持つ私立大学として例年安定した実績を誇る。

 加えて、京都大学、岡山大学や徳島大学など、西日本の中核国立大学からの採用も目立ち、地域に根差した実力派人材の積極登用がうかがえる。

 さらに目を引くのは、ランキングに含まれる大学の“分散性”である。東北大学、九州大学、早稲田大学といった全国の名門が含まれるほか、京都工芸繊維大学や同志社女子大学といった中堅・専門性の高い大学や女子大からの採用も確認できる。

 これは、学歴や知名度だけでなく、専門分野や人物重視で幅広い人材を登用していることを示している。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

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