返信の早さと、誰かに言ってほしかった言葉に溢れたメッセージを何度も読み返すことで、紗希子さんは安心感に包まれた気がしました。
その後、詳細な相談や、調査に必要な情報や画像データ、契約書の取り交わしなど、S探偵社とのやりとりは全てメッセージアプリで行いました。
自分の都合で返信したり問い合わせたりできる合理性や、S探偵社からの返信の早さもあって、紗希子さんは安心して任せられると思うようになりました。
明らかになったS探偵社の実態
並行して夫の不倫調査も
契約内容を決め「これで私の悩みは終わるんだ」、そう信じて、生活費として預かっている銀行口座から前金として50万円を振り込みました。
しかし、現実はそう甘くはありませんでした。人の弱みにつけ込むS探偵社のわなにかかっていたのでした。
翌日から調査にかかるとのメッセージが来てから、「調査は順調です」「今週末には証拠がそろうでしょう」
そんなやりとりが数回あった後、S探偵社の担当者からの連絡は突然途絶えたのです。
「調査の結果はいかがでしたか?」「夫は不倫していましたか?」などとメッセージを何度送っても既読にはならず、メッセージアプリの電話機能で発信しても全く応答がありませんでした。
この状況になって1週間たった時「もしかして、私は探偵にだまされた?」と、紗希子さんは目の前が真っ暗になりました。
夫に裏切られ、今度は探偵にも裏切られる、そんな二重の裏切りに紗希子さんは心身共に疲弊していったのです。
これまで誰にも相談していなかった紗希子さんは、学生時代からの友人に相談しました。その友人から紹介されたのが片岡探偵事務所でした。
早速、オンラインで話すことになりました。
「S探偵社にだまされたことを調べてもらうのは、おかしいでしょうか?」
友人からの紹介とはいえ不安で、眉間にしわの寄った紗希子さんの声は少し震えていました。
「依頼者をだます探偵なんかあり得ません。私たちが調べますので、まずは状況を教えてください」
その言葉に、紗希子さんは少し安心したようでした。
いろいろ状況を聞き調査した結果、S探偵社の実態はすぐに明らかになりました。