・探偵業法に基づく届け出はしておらず、届け出番号も偽造
・会社の住所はレンタルオフィス。実体はない
・相談は全てSNS経由、ダイレクトメッセージとメッセージアプリだけで契約
・口コミは自作自演のサクラだらけ
・前金だけを受け取り、調査は一切行わない
・時にはインターネット上で拾った画像を「証拠写真」として渡すケースもある
さらに、S探偵社は複数のアカウントを持ち「夫の不倫前兆10カ条」といった心理的な揺さぶり投稿を繰り返し、SNS上で不安な人をターゲットにしていました。
不倫をされている兆候がある人は、冷静な判断ができなくなります。そこを狙った巧妙な詐欺と判断しました。
S探偵社の調査と並行して、洋蔵さんの不倫調査も行いました。
もうだまされた時の自分じゃない
妻が出した答えとは?
2回の調査によって、取引会社の秘書の女性と都内の高級ホテルでの不倫の証拠を撮影することができました。
その報告書を見た紗希子さんは全く動じませんでした。
S探偵社の詐欺行為があったことにより、自分の人生を切り開く覚悟ができたようでした。その覚悟の中に、洋蔵さんとの対決も含まれていたのです。
「本当は、S探偵社にまで裏切られた時点で、全てを諦めようと思いました。夫の裏切りから目を背けて、今までの安定した生活が続くならと思っていました。でもそんな人生は、誰かの顔色をうかがって生きていく人生は嫌だと思いました。片岡さんに出会えて、信頼できる人がいることが分かって本当に良かったです」
紗希子さんは晴れ晴れとした顔でそう語ってくれました。
弁護士に証拠写真と報告書を持って相談したところ「勝算しかありません!」という強い言葉から自信を持って離婚調停を進めた結果、今後生活するには十分過ぎるほどの慰謝料を勝ち取ることができたのです。
S探偵社については、独自の調査方法により、代表者の名前や使っていた私書箱を特定することができたのですが、送金先口座から足取りを追ってみると海外で活動する詐欺集団の可能性が高いことが分かりました。