
●現在の「馳走菜」
現在の神戸物産の店舗内調理「馳走菜」の惣菜は、各店舗、仕入れが違うことが一目でわかるようになっている。
例として、カツ丼に使用されている卵の黄身に注目すると、色味の濃淡が違うなど、仕入れの違いが一目でわかるほど明確である(筆者調べ)。こうした仕上がりから、「パーツアッセンブル形式」の流れを色濃く感じさせる。
商品を見ると、照り・粘度のあるたれ使いや、くずれにくいデザートなど、商品ごとの完成度も格段に向上しているのだ。


揚げ物・サラダ・弁当・惣菜・デザートまでそろえた縦横無尽の品ぞろえは、低価格でありながら、同社がこれまで蓄積してきた惣菜ノウハウの結晶と言えるだろう。
惣菜改革が支える神戸物産の次のステージ
原材料の高騰が続く中、ただ価格を抑えるだけでは企業体力を削るだけだ。神戸物産は、「構造」で勝つ企業として、製販一体・効率追求・商品力強化の3点を支柱に、新たなステージへと進化を遂げようとしている。
惣菜という生活密着型の分野においても、同社の戦略は他社の追随を許さない。
今後、神戸物産がどのようにこの惣菜領域を開拓し、競争優位を築いていくのか。引き続き注視したい。