実は苦労の連続?神戸物産の「惣菜」への挑戦
神戸物産が惣菜の店舗内調理「馳走菜」を進化させられた背景には、過去の実験的取り組みがある。それが過去、着々と進められたパーツアッセンブル形式の惣菜である。
筆者がこれまで追ってきた過去の取り組みをここで紹介したい。
●Green’s K(2009年〜)

東京・亀戸にて出店された惣菜特化型店舗。店内での調理を「パーツアッセンブル形式」で行い、15以上の自社工場、200以上の協力工場で食材を生産・集約。食材を汎用化しながら、粗利50%を実現した。
価格は350円均一という設定で、ピザなどもわずか3分で焼き上げるなど、高回転・高効率のオペレーションが特徴であった。当時、多くは宅配ピザが主流であったのに対し、価格を480〜800円など値ごろ感を訴求した。
約20坪の狭小店舗で約30種類のアイテムを約3人で処理していた。
和洋中いずれのカテゴリーも網羅されており、商品も売れ筋、もしくは定番で構成。3つの機能(ライブキッチン、彩りビッフェ、出来立て弁当)で、同一商品であっても、顧客の買い方に選択肢が広がるようになされ、店側としてもオペレーションがうまくいき、一石二鳥で注目された。
●ローソン神戸ほっとデリ(合弁会社)

神戸物産とローソンが50%ずつ出資し、1g1円の量り売りや詰め放題弁当390円を展開。神戸物産で生産された食材パーツを、当初25から30にする予定と言われ、立地によって、メニュー、価格を変更していた。
食材の搬入は1日2便だった。食材パーツの利点は、調理免許が不要になること。さらに冷凍食材を用いてロス率を1%未満に抑えることに成功。
女性比率の高い住宅街で高評価を得た一方、シズル感や原料の選定には課題も残された。「Green’s K」同様、3つの機能「ライブキッチン」「彩りブッフェ」「できたて弁当」となっていた。