アラスカ州アンカレッジのエルメンドルフ・リチャードソン統合基地で行われた記者会見終了後に握手を交わすトランプ大統領とプーチン大統領アラスカ州アンカレッジのエルメンドルフ・リチャードソン統合基地で行われた記者会見終了後に握手を交わすトランプ大統領とプーチン大統領 Photo:Andrew Harnik/gettyimages

「トランプ仲介」首脳会談は空振り
“プーチン氏主導”、姿勢に変化なし

 ウクライナ和平を巡って、米アラスカ州アンカレジでトランプ大統領とプーチン大統領による初めての直接の首脳会談が8月15日(日本時間16日未明)、開催された。

 会談の中身に関しては、詳しいことは明らかにされていないが、会談後に行われた会見の雰囲気からして、ロシア側の思惑通りに進んだという印象が強い。

 トランプ政権がアラスカというロシアと伝統的につながりの深い土地を会談場所に選んだこと自体、配慮の表れであり、空港でレッドカーペットを敷いて出迎えたことを見ても、侵略戦争の当事者に停戦を迫るやり方ではなかった。

 会見でのプーチン大統領の口ぶりはまるで、今回の首脳会談は、一時期途切れていた米ロの友好関係を再開するためのものであり、話題の一つとしてウクライナの問題も多少は話し合った、といわんばかりだった。

 だがその3日後の18日、ホワイトハウスでのウクライナのゼレンスキー大統領、さらに英仏独など欧州首脳を交えての会談では、ウクライナや欧州首脳がロシアへの領土割譲を迫られるような和平には強硬に反対し、トランプ大統領は、米国製兵器の提供や和平後のウクライナの「安全の保証」で米国が関与することを表明したという。

 トランプ大統領がプーチン大統領の主張になびいて、理不尽な和平案をゼレンスキー大統領に押し付けようとするのではとの懸念はいったん弱まったように見える。

 トランプ大統領自身も、まずはロシアとウクライナの直接の話し合いを優先する姿勢に変わっているように見え、プーチン大統領とゼレンスキー大統領の2者会談の場所についても、ハンガリーやスイス、トルコなどの名前が挙げられている。

 だが筆者は、2者会談が少なくとも早い段階で実現することには懐疑的だ。何よりもプーチン大統領のウクライナ問題への姿勢が変わったとは思えないからだ。