問題視された、アニメに登場したバンド「HAYASHii」および劇中歌「Hunting Soul」ははたしてX JAPANと「紅」にどこまで似ていたか。
HAYASHiiはXJAPANに非常によく似ていて概ねモロであり、ドラマーはYOSHIKIのように首にコルセットか首あてのようなものをしていた。
「紅」と「Hunting Soul」については、「まったく似ていない」と激しく言い立てる向きも結構いるのだが、この辺りは主観であろうか。メロディは全然違うから似ていないといえばそうだが、まあ似ているといえば似ているし、しかし「同系統のジャンルの曲」ではあるからその意味でいえば似ていて当然でもある。
ちなみに作中でHAYASHiiは、霊のお祓いを手伝うサポーターとして登場する。「Hunting Soul」のヘビーな曲調に乗せて霊がオーディエンスとなってライブ会場さながらに湧き、除霊に当たる人物もヘッドバンキングしながら祓串(よく神主さんが持ってる、白い紙がひらひらついた木の棒)を振り回す。実に『ダンダダン』らしい、どこかコミカルだが大変かっこいいシーンであった。
京アニ被害で1000万円寄付
アニメに理解がある大御所
X JAPANは一時代を築いてきた伝説的バンドで、日本ビジュアル系の走りでもある。X JAPANはもはや単なるバンドと呼ぶに留まらず、ひとつの概念のごとき大きなカルチャーくらいのスケールがあって、『ダンダダン』制作はそこを「オマージュ」した。一方YOSHIKIはそこをもう少し狭く捉えて「うちのバンドをネタにした」と見た。
ここにアニメ制作とYOSHIKIのすれ違いがあって、それがこの問題の発端となったのであった。
YOSHIKIが叩かれる理由の1つめは、SNSでのムーブが湿っていた点にあるようだ。関連のポストは10日間ほどにわたって、関係者をざわつかせるようなテンションで進められたので、そこが非難されている。
YOSHIKIといえば大御所も大御所であるし、京都アニメーションの被害の際に1000万円の寄付を行ったくらいアニメというカルチャーを応援してもいる。だから理解ある大御所としてでんと構えていてほしかったという一般人の期待と、SNSでのあり方が異なっていたので不興を買っているわけである。