・極洋

 定年を60歳から65歳に延長。また、55歳で役職定年となり、部長職を除き一律3~4割程度減額していたが、課長代理以上の社員については一律の給与減少をなくし、意欲・スキル・能力次第で65歳の定年まで役職に就くことを可能にした。

・日本航空

 再雇用した社員について、年収を現役世代と同水準とする。成果に応じた評価をし、上位評価者は年収1000万円超となる。

・クボタ

 定年を延長し、65歳とする。標準を上回る評価を得れば、65歳まで昇給する仕組みを導入した。

・住友化学

 全体の3%に留まる60歳以上の社員が、10年後には17%にまで高まることを見据え、60歳の定年を段階的に65歳まで引き上げる。加えて59歳までの現役世代と比べ、4~5割に抑えてきた給与によって本人の意欲や周囲の期待が下がる傾向にあったため、新制度では現役並の年収を確保して、60歳以降の人材の更なる戦力化につなげる。

・ニトリ

 再雇用年齢を70歳まで引き上げる。併せて、再雇用した従業員の基本給や手当は定年前と同額として、報酬水準を最大で定年前の9割程度を維持できるようにした。

・明治安田生命

 本人の意思を尊重し、勤務の日数や労働時間を調整でき、退職金の受給時期などを本人が選べるようにする。役割に見合った給与を払う。

・三井住友銀行

 2026年1月をめどに人事制度を改定する。51歳で給与減となる制度を撤廃し、51歳以降も実績に応じて給与が伸びる仕組みとする。

・スルガ銀行

 2024年3月から一部の行員について、最長70歳まで給与を下げずに働き続けることができるようにした。人事制度自体は変えず、賞与や手当で補って総支給額を維持する。

・スズキ

 60歳以上の社員を定年前と同じ内容の業務で65歳まで再雇用し、基本給を現役並みに引き上げた。2024年から同制度を実施している。

年齢で区切ることなく
個人のスキルを評価

 これらをみると、高齢でも十分な成果を創出できる社員に対しては、現役世代と変わらない報酬を支払う仕組みにする企業が増えていることがわかる。