お客さんが知りたいことはただひとつだけ

 お客さんが知りたいのは「機能」ではありません。
「私(お客さん)が具体的にどんな得をするのか?」
 を知りたいのです。

 言い換えれば、お客さんは商品の機能にではなく「ベネフィット」、つまり、
「商品を手にして私(お客さん)がどんな得をするのか」だけに興味があります。

 だから、「機能」をいくら説明しても、「私の知りたいことはそこじゃない」と、そっぽを向かれてしまうのです。

 では、「機能」と「ベネフィット」の違いを見てみましょう。

◆機能:商品・サービスが何を備えているかなどの確かな事実
↓それにより
◎ベネフィット:機能から私(お客さん)がどんな得をするのか

 を比較して書いてみると、その違いがわかります。

 先ほどのパソコンを例で考えてみましょう。

例1)
◆機能:CPUがインテルCore i7プロセッサー

◎ベネフィット:処理速度が速いのでストレスがありません

例2)
◆機能:液晶の解像度がWQXGA

◎ベネフィット:写真のように画像がキレイで目が疲れません

 あのときの店員さんが私にベネフィットを伝えてくれていたら、私はきっといまごろ新しいパソコンでこの文章を書いていると思います。

 このように、「機能」と「ベネフィット」は似て非なるものなのです。

◆あなたの商品・サービスの「機能」をリストアップ

◎リストアップした機能からお客さんがどんな「得」をするのかを考察

 という順番で考えると、ベネフィットが浮かび上がり、その感覚がわかってくると思います。

「ベネフィット(得)」を明確に!
 これは何度言っても、言いすぎることがないほど、極めて重要です。

 連載【第1回】で「対象(顧客)を絞り込むほど、ゴール達成が近づく」と書きましたが、この対象とベネフィットには、深い関係性があります。

 あなたに、お客さんに伝えたいことが山のようにあったとしても、

●対象(絞り込んだお客さん)に何を紹介して、その結果、お客さんはどんな得(ベネフィット)をするのか?

 という観点で、最も中心となる軸を考えると、お客さんにとってもあなたにとっても、シンプルながら、ブレのないインパクトのある文章が書けるようになります。

 この文章でたとえると……
●対象:ビジネスで結果を出したい人
●ベネフィット:ベネフィットの重要性を知り(思い出し)、お客さんに喜んでもらいながら、結果を出す文章が書けるようになる