文章テクニックは相手への思いやり

 文章テクニックが世の中にあふれるようになり、情報を集めるのには苦労しなくなりましたが、同時にそれによる弊害も大きくなっています。

 テクニックにこだわることで、誰が書いたかわからないコピー&ペーストされたような文章があふれ、それが本来の“その人らしさ”を閉じ込めていくのです。実にもったいないことです。

 文章はテクニックから始めてはいけません。

 テクニックは相手が受け取りやすくするためにあります。
 相手を心理操作するためにあるのではありません。

 先ほどのステップで言えば、テクニックは最後の【ステップ3】で使ってこそ、その効果を発揮します。

「相手にぜひ受け取ってほしい」という相手への思いやりがあるからこそ、テクニックが最大限の効果を生み出すのです。

 たとえば、先ほどの“3”ステップも、少しでもあなたの役に立ちたい、という思いからひとつのテクニックを使っています。

 ご存知の方も多いと思いますが、魔法の数字マジックナンバー「3」です。

 ステップに分けずに情報を伝えても、ある程度は理解してもらうことはできますが、読み流されてしまうかもしれません。
 また、言いたいことが多すぎると、説得力がない文章になります。

 ですから、あなたに受けとってもらいやすくするために、3つのステップに分けて書きました。

「3」は、魔法の数字です。

 あなたには伝えたいことがたくさんあっても、相手は一度に大量の情報が入ってくると混乱してしまいます。
 長い文章や細かい説明は、できれば読みたくないものです。

 そういった場合は、
「この商品には3つのメリットがあります」
「重要なことは3つあります」
3つのステップだけでOKです」
 と、「3」に絞り込んでみると、これだけで不思議と説得力が増し、相手に受け取ってもらいやすくなります。

 マジックナンバー「3」を意識すると、相手にとっても、あなたにとってもわかりやすく、記憶にも留まりやすくなります。

 あなたが書きたいことを書くのではなく、相手に想いを寄せて、あなたの持っている情報や知識・経験を、相手が知りたい順番で伝える。

 そして、それをより受け取ってもらいやすくするために、テクニックがあるのです。

次回は6月26日更新予定です。


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     東京都渋谷区神宮前6-12-17⇒地図
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お問い合わせ先  ダイヤモンド社書籍編集局
電話 :03-5778-7294 (担当:中島)
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中野 巧(なかの・こう)
1976年生まれ。10年書き続けてきた独自の文章メソッドを1枚のチャートに結晶化し、エンパシーライティングを開発。エンパシーライティングは、いまやトヨタやソニー、三菱 東京UFJ銀行、東芝、富士通、DeNAをはじめとする日本を代表する企業の社員や幹部が社内外で活用するだけではなく、一部の小学校の卒業文集や作文指導、都立高校の授業、大学教員の論文作成 にまで活用されている。あの神田昌典氏が「これは、日本が世界に誇れる文章作成法だ」と評した新しい文章術。本書が初めての著書となる。