高市政権“トランプ協調”で抱えた難題、動き出す「80兆円対米投資」と防衛費増額Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

高市首相、防衛費増強や関税合意の履行約束
初の首脳会談はトランプ氏との関係構築優先

 高市新首相と来日したトランプ大統領との初の首脳会談が、10月28日に行われ、安全保障分野や経済分野などで日米の連携強化が合意された。

 日本側は日米同盟をインド太平洋の平和と繁栄の礎と再定義し、米国側も「必要な時は日本を支援する」と強調。日米同盟の包括的強化で一致した。

 経済分野を巡っては、日米関税合意の迅速、継続的な取り組みやレアアースの供給確保での日米の連携が確認されたほか、(1)日本側が防衛費の増額について明確なコミットメントを示したこと、(2)これまでその内容がはっきりしなかった「80兆円対米投資」の具体的な内容がファクトシートの形で明らかになったことが重要なポイントだ。

 日米双方が、中国の海洋膨張やレアアース輸出規制などを念頭に改めて連携強化を掲げたもので、高市首相は、トランプ大統領との関係構築に意を払っている。

 だが、肝心の80兆円対米投資も、今後、どういった運用で実行されるのかや、資金調達スキームの具体的な内容ははっきりしない。

 会談で掲げられた「日米協調」が、今後、実行の過程で日米間の軋轢を生む可能性はある。