週刊ダイヤモンド 2006年にはわずか2件にまで減っていた上場企業の倒産は、今年に入ってすでに15件(9月24日時点)を数える。5月に大上場廃止になった企業を含めると16件だ。

 その内訳は建設・不動産が圧倒的多数の9件、情報・通信とサービスが2件、繊維と卸売業が1件。弊誌9月6日号で「ゼネコン・不動産 同時多発破綻!」と特集したとおり、建設・不動産はまさに「底なし危機」に陥っている。

 だが、厄介なことに、その底なし危機にその他業種の上場企業も巻き込まれ始めた。米国発金融危機によって、信用収縮の大波が襲いつつある。中小企業にも、なおのこと激しい勢いで襲いかかっている。

 サブプライム危機を経て、企業を取り巻く環境は一変した。上場企業の倒産も間違いなく、さらに増える。そこで、急遽「倒産危険度ランキング」を再登場させることにしたわけである。

 Part1「判定! 倒産危険度」では、危険水域に入った企業を決算書の記載を追いながら徹底解剖、財務指標の異常値の謎を解く。

 弊誌が財務指標を基に総合判定した危険度ワーストランキングの上位企業はもちろん、上場時価総額が減少し猶予期間に入った企業、つまりは株式市場から退出勧告を受けている企業の実態に迫る。

 継続企業の前提に疑義があると判断された、すなわち監査法人が危険信号を発している全企業もリストアップしている。

 Part2「大倒産時代 突入!」では、建設業界と不動産業界の苦境の構図をひもとき、危機に立つデベロッパー6社の前途を見据える。ゼネコン6社が嵌り込んだ地獄の構図も解説する。

 さらに、企業の命運を握るメガバンク、地銀の豹変ぶりを描く。回収は問答無用。貸し剥がし、貸し渋りの動きは明らかに広がり、中小企業は追い詰められている。「突然死」の急増は必至だ。

 Part3「中小企業のための防衛策」では、資金繰りに不安を抱える中小経営者に向けて「銀行から上手におカネを引き出す法」を、また経営者や営業マンのために「突然の取引先倒産でも損失を食い止めるノウハウ」を紹介する。

 そして最後のPart4で、弊誌の倒産危険度判定において「危険水域」に入った上場624社の全リストを掲載している。

 「大倒産時代」に突入である。ぜひ手にとって“受難の時代の備え”としていただきたい。

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 小栗正嗣)