Photo:JIJI
金融業界屈指の高待遇として知られる損害保険業界。損保大手3グループは2026年3月期決算でも力強さを見せ、堅調な業績をたたき出している。特集『26年 給料ランキング』の本稿では、損保大手3グループと、国内損保事業を営む持ち株会社傘下の中核4社の給与ランキングを公開するとともに、有価証券報告書だけではつかみ切れない実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 高野 豪)
堅調な業績の大手損保3グループ
「年収1000万円超」の給与実態とは?
大手損害保険会社が堅調な業績をたたき出している。
2026年3月期決算を見てみよう。事業会社の売上高に相当する正味収入保険料(国際会計基準であるIFRS適用のSOMPOホールディングス〈HD〉は保険収益)は、損保大手3グループ全てで増収を確保した。
最終利益については、SOMPOHDの連結純利益が6400億円となり、前期比約2.6倍に拡大。日本会計基準を適用するMS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)も、当期純利益が前期比13.8%増の7873億円に達し、過去最高益を更新した。
一方、唯一減益となったのは、業界首位の東京海上ホールディングス(HD)。日本会計基準の当期純利益は、前期比7.1%減の9804億円となった。一見すると明暗が分かれたように見えるかもしれないが、実際はそうではない。
大手損保で発覚したカルテル問題などを機に、金融当局の指導の下、全ての政策保有株式の売却を進めている。減益となった東京海上HDは、25年3月期と比べて政策保有株売却益の減少に伴う影響が大きく、これを除いた実質的な純利益ベースでは増益を維持している。
各社堅調な業績の背景にあるのが、国内外で自然災害が記録的に少なかったことだ。大規模な自然災害が頻発すると、巨額の保険金の支払いを迫られるため、収益の圧迫要因となる。前期はその影響が軽微だったことが各社の収益を押し上げる格好となったほか、稼ぎ頭である海外事業も各社トップラインの増収に貢献した。
課題は、自動車保険事業の収益改善である。足元のインフレによる修理費用や部品単価の高騰で支払い保険金が上昇し、保険料の引き上げが支払いの増加ペースに追い付かない状況が続いている。
とはいえ、27年3月期は、前期の自然災害の少なさに伴う反動増や市況変動の影響などを除けば、実質的な増益基調が続く見通しだ。では、この堅調な業績は、そこで働く社員の給与にどう還元されているのだろうか。
次ページでは、年収1000万円を超える大手損保グループと、傘下の中核4社の給与実態を詳らかにする。業界の通説では、「東京海上日動火災保険が頭一つ抜け出し、損害保険ジャパンと三井住友海上火災保険が拮抗し、4番手にあいおいニッセイ同和損害保険」(大手損保関係者)といわれているが、実際のところはどうなのだろうか。







