26年 給料ランキング#16Photo by Shintaro Iguchi

重工・建機メーカー大手8社の2025年度の平均年収は、ほぼ全社が前年度を上回った。直近5期を通して1位だったのは三菱重工業だった。2位以下でも、前期比で23%も年収を増やす積極的賃上げを実現している企業があった。特集『給料ランキング2026』の本稿では、重工・建機メーカー大手8社の最新の給与ランキングを公開する。(ダイヤモンド編集部 井口慎太郎)

防衛・航空エンジンが重工各社の賃上げをけん引
建機はトランプ関税が“社員の懐”も直撃

 防衛装備品や航空エンジン、発電用機器の需要拡大を追い風に、重工メーカーの業績が勢いづいている。一方、建機メーカーは、主戦場となっている米国市場の先行きが、同国の関税政策で不透明になっている。こうした事業環境の違いは、社員の待遇にどう表れたのか。主要8社の最新の給料ランキングを見ていこう。

 三菱重工業、川崎重工業、IHI、カナデビア、コマツ、日立建機の2026年3月期、住友重機械工業とクボタの25年12月期の平均年収は全社で前期よりも増加していた。

 三菱重工の26年3月期は、受注高が前期比1兆円超増の7兆6536億円となり、売上高に当たる売上収益は4兆9741億円、事業利益は4322億円に拡大した。IHIも民間航空エンジンや防衛、原子力を成長事業に位置付け、生産能力の増強を急いでいる。重工各社では、膨らむ受注をこなす技術者や技能者の確保が課題になっている。

 一方、建機メーカーを巡る足元の市場環境は厳しい。大手各社にとって米国市場は売上高の2~3割ほどを占める重要市場だが、トランプ政権の関税政策で日本や他国から米国に建機や部品を輸出する際に高関税がかかり、値上げできなければ利益が削られる。6月に建機に対する関税は25%から15%へ引き下げられたが、追加コストはなお残り、各社の収益圧迫要因となっている。収益性が高い東南アジア市場でも価格が安い中国メーカーにシェアを奪われている。

 追い風を受ける重工と、逆風下の建機。ダイヤモンド編集部は、三菱重工、川崎重工、IHI、住友重機械工業、カナデビア、コマツ、日立建機、クボタの有価証券報告書を基に、8社の年収を分析し、年収ランキングを作成した。

 次ページでは、最新ランキングと直近5期の各社の平均年収の推移を示し、賃上げの実態やその要因を明らかにする。