暑い日々が続き、電車の中でも汗をかきながら出勤するビジネスマンの姿が目立つようになった。クールビズが浸透したとはいえ、昨今の日本の蒸し暑さには、ネクタイを取ったくらいでは歯が立たない。自宅から駅まで歩いただけでも汗が滴り落ち、冷房が効いた電車を降りて職場まで歩くと、また汗をかき……。
自分で書きながらウンザリしてくるが、もしかしたらウンザリしているのは私たちだけではないかもしれない。そう、夏の暑さには「ニオイ」が付きものなのだ。
最近では、「スメハラ」(スメルハラスメント)という言葉もあるらしく、職場でのニオイ対策は、できるビジネスマンにとって必須のエチケットになりつつある。
「仕事でかく汗は男の勲章だ」なんて古い考え方では、知らぬ間に部下のバリバリ女子たちから「スメハラ上司」のレッテルを貼られてしまうかもしれないから、注意が必要だ。女性社員は、男性社員のニオイを想像以上にチェックしているものである。
「スメハラ」の特徴は無自覚なこと
8割近くがニオイで迷惑した経験あり
「たかがニオイ」と侮るなかれ。嗅覚は視覚より直接的な感覚であり、人によってはニオイによって不快な思いを抱くこともある。気を使えば比較的簡単に直せる身だしなみとは違い、臭いは自分で気付きにくいぶん厄介な存在だ。
しかも、周囲がニオイに気づいたとしても、本人にそれを伝えることはまずないだろう。第一、本人を傷つけないようにどうやって指摘すればいいのか、皆目見当がつかない。まさか「ニオイますよ」とストレートには言えないし、「今日は暑いですね」なんて言っても、天気の話と勘違いされて終わりである。
一方、身だしなみについては、周りも割合言いやすい。もし、部下がだらしない格好をしていたら、「ズボンからワイシャツが出てるぞ。しっかりしろ!」と注意する上司は多いはずだ。自宅で奥さんが、「スーツとネクタイがよれよれだから、クリーニングに出しておくよ」なんて言ってくれることもあるだろう。