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国税庁が毎年公表する「国税庁レポート」と、元国税「富裕層管理」チームである税理士の目線から、富裕層が知っておくべき最新の国税庁の課税戦略について分析する。連載『富裕層必見!資産防衛&節税術』の第37回では、その前・後編のうち「後編」をお届けする。(税理士・元国税「富裕層管理」チームOB 八幡谷幸治)
人気ライバー、スマホゲーム開発者…
巨額の利益を得る「無申告者」を追及
国税庁は、社会経済の構造変化やトレンドの変化に合わせ、不正がまん延しやすい特定の領域を「重点調査項目」として設定し、集中的なリソースの投下を行っている。つまり、世相を反映したターゲットを設定し、狙い撃ちをするわけだ。目下、特に注意したいのは、「前編」で見た「消費税」と「海外資産」を含めた四つの項目だ。本稿では、その4項目の中でよりトレンドを反映している残る二つの項目を解説する。
〈3〉「無申告者」への徹底的な追及
確定申告を行う義務が本来あるにもかかわらず、一切の申告を行わない「無申告者」は、期限内に正当な申告・納税を行っている一般の納税者との間に著しい不公平を生じさせる。
国税庁では、無申告を重大な不正行為と位置付け、インターネット上の公開情報や取引先への反面調査を通じて無申告者の捕捉を進めている。
直近3カ年の無申告者に対する調査・指導(所得税・消費税・法人税)の実施件数と追徴税額は以下の通りである。
・2021年度:調査実施件数(5886件)、追徴税額(355億円)
・2022年度:調査実施件数(7566件)、追徴税額(430億円)
・2023年度:調査実施件数(7737件)、追徴税額(459億円)
・2022年度:調査実施件数(7566件)、追徴税額(430億円)
・2023年度:調査実施件数(7737件)、追徴税額(459億円)
件数・追徴税額共に年々右肩上がりで増加しており、無申告対策への注力が分かるはずだ。無申告の具体的な調査事例を挙げよう。
・ライブ配信(ライバー)による多額の利益の無申告:インターネット上のライブ配信プラットフォームで活動し、視聴者からの投げ銭(ギフティング)などで年間数千万円に上る巨額の利益(雑所得または事業所得)を得ていたにもかかわらず、一切の確定申告を行っていなかった無申告者を捕捉し課税。
・スマホゲーム開発・運用による収入の隠蔽:個人で開発したスマートフォン向けゲームアプリ内の課金収入や広告収入について、海外のアプリストア経由で多額の入金を得ていたが、税務当局に覚知されないと考え無申告を通していたケース。金融機関の口座分析等から所得を算出し追徴。
・外国人労働者の雇用にかかる源泉徴収・申告漏れ:多数の外国人労働者を雇用して事業を営んでいた個人事業主が、給与支払いの実態を隠蔽し、事業所得の申告を行っていなかった事案。労働者名簿や給与手渡しの記録などの証拠を現場調査で押さえ、無申告を是正。
・スマホゲーム開発・運用による収入の隠蔽:個人で開発したスマートフォン向けゲームアプリ内の課金収入や広告収入について、海外のアプリストア経由で多額の入金を得ていたが、税務当局に覚知されないと考え無申告を通していたケース。金融機関の口座分析等から所得を算出し追徴。
・外国人労働者の雇用にかかる源泉徴収・申告漏れ:多数の外国人労働者を雇用して事業を営んでいた個人事業主が、給与支払いの実態を隠蔽し、事業所得の申告を行っていなかった事案。労働者名簿や給与手渡しの記録などの証拠を現場調査で押さえ、無申告を是正。
次ページは、残る最後の「重点調査項目」を解説するとともに、国税庁が使命と掲げる「適正公平な課税の実現」の陰で軽視されがちな問題点を明らかにする。







