スマートフォンでの画面競争 ~73平方cmのアート
世界中のIT企業が、スマートフォンの画面を戦場に戦っています。より解像度の高い、省電力のデバイスを!より視認性・操作性の良いデザインを!と。
iPhone5のRetina(網膜)ディスプレイは横5.9cm、縦12.4cmの73平方cm。解像度は640×1136ピクセルです。人間が網膜で捉えうる画素密度(*1)を超えたと称するこのディスプレイは2010年、1インチに326画素を列べてみせました(326ppi)。しかし、競合のAndroid端末であるHTC Oneは2013年2月、469ppiを達成し、ヒット商品となります。もちろんアップルも負けてはいません。この9月に出るというiPhone5Sでは、おそらく489ppiの次世代Retinaディスプレイ(*2)が投入されるのでしょう(外れたらすみません)。
画面デザインでも、お決まりのアイコン型、横短冊形、タイル型のほかにも、互い違いのものや、形が変わる「柔らかい」ものまで。現代のクリエイターたちが、魅力的な画面をつくるべく、その才能を存分に発揮(浪費?)しています。
おかげで、このたった73平方cmが多くの命を危険に晒し、われわれの「発見する力」を低下させています。
*1 ただしこれはアップルが勝手に決めた、画面との距離10cmでの話。
*2 シャープの虎の子、IGZOディスプレイが採用されるか?