みずほ銀行は10月28日、第三者委員会の調査結果公表と佐藤康博頭取の記者会見で一連の暴力団員への融資問題の幕引きを図った。
金融庁にもこれ以上の混乱は避けたいとの意向があるらしく、報道によると佐藤頭取の続投は早々に決まっていたようだ。
とかげのしっぽ切り
1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。
Photo by Kunihiko Takaoka
実質的に首になったのは、コンプライアンス担当の役員2人。ともに旧第一勧銀出身だ。ある記者は「とかげのしっぽ切り」と言った。この問題が、旧第一勧銀の問題だということを象徴するような処分だと言えるだろう。
第三者調査委員会は、問題点を①当事者意識の欠如、②検査忌避の意図はない、③旧行意識は払しょくされており、それは原因ではないという報告書を発表した。
時間の無い中で調査をされた委員の方々には敬意を表するが、大方の人達が予測した通りの報告で、肩すかしを食ったような気になった人が多いのではないか。
28日は、とにかく早期の幕引きを図りたいという思いがみえみえの一連の動きだった。
「頭取、お疲れさまでした」
佐藤頭取は、取り巻きの役員やスタッフに慰められて慰労のビール(シャンパン?)を飲むにはまだ早いかもしれない。