「誰もが弱い部分をカバーして生きているし、弱さがなければ人間ではない。ただ、未消化なものがあまりに大きいと、防衛反応が変な形で出てきて、攻撃的になったり、支援を払いのけたりする。その未消化部分を出して弱さを語っているときは、脆弱な状況にあるから、受け入れてもらえたか受け入れてもらえなかったかで、大きな変化が起きる時期なんだと思います。それを周りがどうキャッチすればいいかは、簡単にマニュアル化できない。1年後良くても、5年後に悪化するかもしれないし、その逆もある。ただ、もう少し波風を立ててもいいかもしれません。そっとしておく対応の究極のカタチが、引きこもりなのかもしれない」(宮地教授)

 その波風を立てるとき、本人が言語化できない場合は、どのように対応するのがいいのだろうか。

「アートは1つの重要な方法だろう」

 と、宮地教授は提案する。

「アートまでいかなくても、一緒に何かのモノをつくるとか、一緒に歩くとか、神社巡り、お遍路さんのようなことも1つの重要な回復のあり方だと思う。安全な形で外界につながることは、とても有効。歩く場所が決まってるから、精神的負荷も少なくて済む。動植物のような生命に関わることも、生命力を取り戻すカギになるだろう」

 PTSDやトラウマに対する社会の捉え方は、“見えないもの”“言われないもの”をなかったことにして、消してしまおうという作用が働いている。でも、その「語られないものが、最も大事なんだと伝えたいし、関わる人はそれを知っていることで整理できる」と宮地教授は説明する。

「世の中は白黒はっきりさせる議論の人のほうがウケる。でも、歯切れの悪いものが本質でリアル。皆はそういう複雑な現実を生きている。(白黒つけるのは)無理だけど、関わってきた当事者の方々の、ある種の媒介者には誰でもなれるのかもしれない」

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●(仮称)第1回ひきこもり自助グループ協議会(大阪)
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第1部 ひきこもり大学「みんなちがって、みんないい」
第2部 ひきこもり自助グループ協議会

会場:エルおおさか
対象:ひきこもりに関心のある方ならどなたでも(当事者、家族、支援者、市民など)
定員:30名(申込者優先で当日参加もOKです)見学席もあります。
入場料:一般500円、当事者無料(カンパ歓迎します)

主催:(仮称)全国ひきこもり自助グループ協議会
お申し込み・お問い合わせ:NPO法人 グローバル・シップス こうべ
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参加団体:NPO法人どりぃむスイッチ(広島)、ぱそこんスペース宙(兵庫)、NPO法人わかもの国際支援協会(大阪)他参加受付中


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