二つのバブルで不動産業界の酸いも甘いも体験。その現場経験から「お客さまの利益を最大限守る」を信条に、売買、仲介、コンサルティングを行う不動産コンサルタントの井上由美子氏。現在人気沸騰中の中古住宅市場において、「お宝中古」を手に入れるための“スゴワザ”を伝授してもらおう。
一生住むつもりでも
出口を考えた物件選びを
フロムコーポレーション
代表取締役
井上由美子 いのうえゆみこ 大学卒業後、外資系メーカーに就職、自分のマンション購入に際し独学で不動産を勉強。不動産の楽しさに目覚め、当時業界最大手だったマンションデベロッパーに転職。新築マンション販売・仲介等を経験。以来20 年以上にわたり、仲介・賃貸・管理等不動産取引の最前線で活躍。2010 年にフロムコーポレーションを立ち上げ不動産取引のプロとして中古仲介を行っている。宅地建物取引主任者、不動産コンサルティングマスター、住宅ローンアドバイザー、ファイナンシャルプランナー(FP)。
マイホーム購入は人生で最大の買い物と言われている。だからほとんどの人がずっと住むつもりで購入をする。しかし、「実際には住宅を購入してから十数年程度で住み替える人が多い」と井上氏。
結婚、出産、転職や転勤、進学、親との同居など、いざ、ライフステージの変化に直面すると、住み替えをしてみようという気になるようだ。そのときになって初めて、マイホームの資産価値を考えることになると、残念な結果になることが少なくない。だから、井上氏は顧客にこう言い続けている。
「ずっと住むつもりでも、出口を考えて物件を選びましょう」
出口というのは、住み替えのために売却したり、賃貸に出したりするときの収益性、わかりやすくいえば損得。売却時にローン残を清算できるかどうか、住宅ローンの毎月の返済額を上回る家賃収入が得られるか(あるいは賃貸に出したときに、いくらで貸せるか)、物件選びをするときから考えておきましょうということだ。
「今、都内で探すとして、確実に資産価値アップが見込めるのは、山手線の内側や、便利な路線の駅近、メジャーセブン*(大手デベロッパー7社)の分譲物件、人気私立中学校・高校の近所、タワーマンションの上層階。これらの条件に当てはまる物件は、数も限られ人気が高いので大きく値崩れはしません。こうした物件を手に入れられた方は、住んでからの満足度も高いのが特徴です」(井上氏)
*住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス(五十音順)