11月は暦の上では「初冬」。風も冷たくなり、乾燥の度合いが増してきます。気を付けたいのは、喉や鼻などの外気に直接触れる器官、そして寒さに弱い腎(膀胱)です。

 喉や鼻の粘膜は特に乾燥に弱いところです。また、皮膚も乾燥するとひび割れやかゆみなどの原因にもなります。粘膜や皮膚を潤し、乾燥を防ぐ食事を心がけましょう。

 白い食材は体を潤すといわれています。ナシ、牛乳、豆乳、アンニン、卵などは、喉の渇きや、皮膚の乾燥を防ぎます。体の中の潤いを取り除く作用をする辛過ぎるもの、苦いものは取り過ぎないようにしましょう。

 乾燥で喉に痛みが生じたら、蒸したナシがお薦め。ナシを半分に切って種をくり抜き、軟らかくなるまで蒸したら、くり抜いた部分にハチミツを入れていただきます。痰が出る場合はスライスしたショウガをくり抜いたところに数枚入れて一緒に蒸します。ハチミツは喉を潤し、ショウガは痰を取り除く働きがあります。マスクを着けて寝るのもお勧めです。

 また、この季節に冷えは禁物。冷たいものや体を冷やすものは、ショウガなど体を温める食材と一緒に取りましょう。

 さらに、皮膚を丈夫にするのにビタミンAも欠かせません。この時期においしくなる小松菜、ホウレンソウ、春菊などの青菜類、ニンジンなどの緑黄色野菜は油で調理して毎日食べましょう。これらに含まれているカロテンは油を使った調理法で体内への吸収がよくなります。必要な分だけがビタミンAの働きをし、残りは肝臓の働きを助けます。ビタミンEが豊富なアボカドオイルやごま油などと一緒に取ると、免疫力アップにもつながります。

 お薦めは青菜類のナムルや、おろしたニンジン、タマネギ入りのドレッシングです。作り置きが利き、毎日飽きずにいただけます。旬の果物ミカンも、カロテン、ビタミンCが豊富な免疫力アップの食材です。ただし、ミカンは温性なので食べ過ぎると胃もたれするため注意してください。1日1~2個を目安にいただきましょう。

●お料理ヒント
ナムル=青菜を1束ゆでて冷水に取り、水気をしっかり切って3cmの長さに切ります。ボウルに、ニンニクのみじん切り1/2片分、塩小さじ1/5、ごま油大さじ1を入れて混ぜ、青菜を加えてよくあえます。きれいな保存容器に入れて冷蔵します。