大きなプロジェクトを抱えた繁忙期。連日残業し、休日出勤をしていても、なぜか疲れ知らずという顔をしている人がいたりする。疲れがにじみ出ていないだけで、なんだか仕事ができそうに見えてしまうから不思議だ。そして、そういう人に限って、学生時代は体育会系だったという人がやたらと多い。

 当時の体力が今も続いているのだろうか?確かに、そういう人もいるかもしれない。でも、その体力の秘訣を尋ねると、「食べないとパフォーマンスが落ちるからちゃんと食べている」と実にシンプルな回答をいただくことがほとんどだ。これは、学生時代に体育会系だった人だけではなく、今ランニングなど定期的な運動をしている人も同じ。体感を伴って認識した食事の大切さは、環境が変わっても継続されやすいようだ。

 確かに、電車に乗って会社に行く、車通勤する、ずっとデスクに座っている…では、体力がどれだけ落ちたのかも、食事によるパフォーマンスの違いもわかりにくい。運動習慣があるからこその気づきはあるのだろう。でも、だからといって、「ちゃんと食べる」以外に特殊な食事をしているケースはほとんどない。ちょっとした意識次第で、体育会系の人に負けない体力を身につけることは可能だ。

同じ“がっつり飯”なのになぜ?
体力に明らかな差が表れるワケ

 たとえば、体力に自信あり、の1人暮らしの男性の食事記録をみれば、

朝:おにぎり2個(コンビニで)
昼:回鍋肉定食(定食屋)
夜:ツナときのこのパスタ、味噌汁(家で)

 というように、そんなにストイックなものではない。しかも、野菜が充分にとれているとは言い難い。でも、体力がある人に共通していえるのは、職場のデスクで食事を済ますようなことがほとんどなく、できるだけしっかり食べたい、という意識が高い点だ。

 一方、同じひとり暮らしの男性でも、体力がない男性はというと……こんな具合だ。

朝:ロールパン(家で)
昼:おにぎり1個、カップラーメン1個(デスクで)
夜:牛丼大盛り、豚汁、サラダ(牛丼屋)

 日中、パソコンの前から離れられなくてどうしてもデスクでコンビニ食になってしまうので、せめて夜は温かいものが食べたいという。遅くまで開いているお店といえば、牛丼屋やラーメン屋、カレー屋が多い。朝は時間がないからパンだけで済ませているのではなく、そんなにお腹が空かないようだ。