「ノート1冊」なら誰でも情報を活用できる
では、「絵に描いた餅」ではない情報活用、「誰でもできる知的生産術」とは、一体どのようなものでしょうか? これこそ、僕が紹介する「ノート1冊方式」です。これのすごいところは、1行で説明できてしまうことです。
「常に1冊のノートだけに情報を入れ、それを読み返す」
はい、説明終わり。たった、これだけのことで、集めた情報を知的生産の素材として活用できるようになります。単純だからこそ「使える」のです。この説明だけだと、常識とかけ離れすぎていて面食らう人も多いでしょうから、これから連載でじっくり説明していきます。
このやり方には、何も特別な用意は要りません。必要なものは、どこにでもあるノートと普通のペン、糊など、基本的な文房具ばかりです。わざわざ買いに行かなくても、オフィスや家の中を探してみれば見つかるでしょう。だから、今この瞬間からでも、始めることができます。子どもからお年寄りまで、文字通り誰でもできます。
「そんな簡単なやり方では、効果も望めないのでは?」と言う人がいるかもしれません。逆です。簡単だから、効果が望めるのです。「自分の情報を活用できない」という長年の悩みを、誰でも、一発で、半永久的に、解決できる方法としては、これ以上に優れたものはない。こう自信を持って言い切れます。
「簡単」「続く」「自由」という3つのメリット
この連載で紹介する知的生産システム「ノート1冊方式」は、高度すぎる「従来の知的生産術」の問題点を解決するだけではありません。大きく分けて、次の3つのメリットがあります。
(1)シンプルで簡単、迷いがない
第一に、これ以上ないくらい単純でわかりやすいシステムだということです。
「このアイデアをどこにメモしておけばいいのか」
「この資料をどこに取っておけばいいのか」
「あのとき考えたことはどこに書いてあるのか」
このように悩むということがありません。使うのは常に1冊です。むやみな複雑化を招き、「せっかく集めた情報が使えない」原因となる分類・整理は一切しません。会議用や企画用、プロジェクト用といったカテゴリ分けがないだけでなく、仕事とプライベートという使い分けもありません。
何も考えず、ただ情報をノートに投げ込むだけでいい。さらに、書いたり貼ったりするページにも、ややこしいルールはありません。ただ前から順に、「時系列」で使っていくだけです。カバンやポケットに、常に「使用中の1冊」を入れておけば、他には何も気にすることはありません。
大事なことはただ一つです。365日、常にノートとペンを持ち歩くこと。これだけで、情報が活用できるようになります。繰り返しになりますが、単純な方法が一番「使える」のです。