(3)自由度が高く、自分でアレンジできる

 3つ目のメリットは、「あそび」のある自由度の高いシステムだということです。自分の仕事スタイルや環境に合わせて、使いやすいようにアレンジすることができます。

 ノートとは、いわば真っ白な本です。手帳や日記帳のように指定された「記入欄」があるわけではないので、何をどれだけ書こうが自由です。ものを直接、糊で貼り付けたり、活用の当てもない落書きをしたりしてもいい。

 ノートは手帳のように1年1冊ではありません。使い切ったタイミングで年に何回も「代替わり」していきます。だから、この方式を続けていると、「サイズはもっと大きい方がいいかな」「ハードカバーの方が使いやすいかも」といった試行錯誤を経て、自動的に自分のスタイルに合った使い方に最適化されていきます。

 既製の手帳やスクラップブックの場合、途中で規格を変更するのは困難です。また「自分にとって使いやすいもの」が市販されているかどうかもわからないし、それがいつ販売終了になるかもわかりません。

 ノートなら、そんな心配は無用です。自分の嗜好に合うものを買って、自分のスタイルに合わせて使いながら、アレンジやカスタマイズを楽しみつつ、自分なりに使い方を上達させていくことができます。

 市販されているアイデア手帳のたぐいは、よくユーザーのことを研究してはいるものの、自由には使えません。自分にとって不都合な点があったとしても、メーカーに要望を伝えることくらいしかできない。

 対して、ノートは徹底的に自由です。仕事や生活のスタイルの変化があったとしても、臨機応変に対応できます。異動、昇進、転職、結婚、育児など、生活が一変しても、ノートなら問題ありません。実際、僕がそうでした。「ただの紙の束」であるからこそ、ノートは万能の知的生産システムになるのです。

「いくら情報を集めてもなかなか使いこなせない」
「長い間、考え続けてもいいアイデアにつながらない」
「プライベートの体験や勉強を仕事に活かしていきたい」

 こんな悩みは、これから紹介する「ノート1冊方式」ですぐに解決できます。この方法なら、仕事時間だけでなく、日常のすべてが知的生産につながっていきます。

 その結果、ますます多種多様なことに興味を持ち、さまざまな角度から考えられるようになり、企画や提案、プレゼンテーション、業務改善、原稿作成などで、これまで以上の成果を出すことができるようになるでしょう。

 ビジネスパーソンをはじめ、学生、主婦、マメな人、ズボラな人、あらゆる人が活用できる手法です。ぜひ、今すぐノートを持ち歩くことから始めてみてください。(第2回へ続く)

※詳しいノートの書き方は第2回以降でご紹介します


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著者紹介
奥野宣之(おくの・のぶゆき)
1981年大阪府生まれ。同志社大学文学部でジャーナリズムを学んだあと、出版社、新聞社の記者を経て『情報は1冊のノートにまとめなさい』で著作デビュー。独自の情報整理術や知的生産術がビジネスパーソンを中心に支持を集め、第2弾『読書は1冊のノートにまとめなさい』、第3弾『人生は1冊のノートにまとめなさい』と合わせたシリーズは累計50万部を超えるベストセラーとなった。
ジャーナリストの経験を活かし、ウェブや雑誌のライターとして活動するかたわら“ノート本作家”として、メディア出演・講演などでも活躍中。仕事に活かせるノートや文具の活用法、本とより深く付き合うための読書法、人生を充実させるライフログの技術、旅行や行楽を楽しむための旅ノート・散歩ノートの技術など、活動の幅は広い。趣味は古墳めぐりと自然観察。ついでに写真撮影。仕事だけでなく家庭や趣味でもノートを使いこなすライフスタイルは、NHKやTBSでも放送され反響を集めた。
その他の著書は『旅ノート・散歩ノートのつくりかた』『知的生産ワークアウト』『「処方せん」的読書術』『新書3冊でできる「自分の考え」のつくり方』など多数。

著者エージェント:アップルシード・エージェンシー
http://www.appleseed.co.jp