セルフケアのみでは
口腔内の健康は保てない
毎日歯を磨いていても虫歯や歯周病になることがある。このことからわかるように、セルフケアのみで口腔内の健康を保つのは非常に難しい。
子どもの頃は学校で毎年、歯科検診を受けていたのに、大人になってからも定期的に歯科検診を受けているという人は意外に少ない。大方の人は、歯が痛くなったり歯茎が腫れたりした時にしか歯科医院に行かないようだ。
しかし、痛みや腫れなどの自覚症状が出た時には、すでに虫歯や歯周病がかなり進行していることが多く、治療の回数も時間も費用の負担も大きくなってしまう。時すでに遅しだ。そのうえ、歯の状態によっては神経を取ったり、歯を抜いたりしなければならなくなり、歯の寿命を縮めることになりかねない。
最近は予防歯科に力を入れる歯科医院が増え、全身の健康状態を調べる「人間ドック」のように、口腔の健康状態をみる「歯の定期検診(デンタルドック)」を推奨している。
「一生、自分の歯でおいしく食べられるようにしたい」と望むならば、定期的に歯科検診を受けて、虫歯や歯周病などを自覚症状のない早期に発見し、治療を開始することが大事である。
検診では虫歯や歯周病だけでなく、口腔がんなどの疾患も自覚症状のないうちに発見でき、将来的なリスクも予測することができる。また、検診時にはブラッシング指導やスケーリング(歯石の除去)など、予防のためのケアが受けられる。口腔の健康の維持・増進のためにも、忘れずに定期検診を受けよう。