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【データ分析と競争優位性】
なぜ、思いつきや勘だけで経営してしまうのか?

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第8回】 2013年12月27日
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資本力や過去の遺産に代わる
競争力としての「データ分析力」

 さて、分析に話を戻そう。「何が起こったかが、分かる」という「見える化」のレベルを超えて、「なぜ起こったか」「これから何が起こるか」が分かり、次に採るべきアクションとして有効な「何をすべきか」が分かるためには、分析が必要となる。

 ビジネスにおいて活用される主な分析には、大きく分けて「仮説を立てて、それを検証する」と「大量のデータから法則を探す」という2つのパターンが存在する【図表2】

 前者は、「Xであれば、Yが成り立つ」「AとBは関係している」といった証明されていない命題の確からしさをデータ(事実)を基に判別するもので、ビジネスにおけるさまざまな予測やシミュレーションの多くはこのパターンに属する。

 一方、後者は仮説のないところからデータを統計的なアルゴリズムで分析することで、何らかの関係や法則を見つけ出すものである。「ビールと紙おむつ」の伝説で有名になったデータマイニングによるマーケット・バスケット分析は、これに当てはまる。

 これらはいずれも「検定」「推定」「回帰分析」などの基本的な統計解析の手法を用いて行われる。また、条件や視点を変えてさまざまな角度から分析することで、新たな法則を発見したり、より的確なアクションを導き出したりすることができる。分析を行う際に用いるデータについては、すでに収集済みの既存のデータを対象とする場合と、実験によって新たなデータを取得する場合がある。

 企業は分析力を単なる業務効率化のための手段から、ビジネス貢献のための武器へとレベルアップさせていかなければならない。そしてさらに、ビジネス・イノベーションの創出へと結びつけることで、グローバル競争における優位性を高めていくことが求められる。

 変化が著しく多様化するビジネス環境においては、資本力や企業規模といった過去の資産が競争力の源泉となりにくくなっている。現在のビジネス環境は、賢く俊敏に動ける企業にとって有利であり、いわば分析力が企業の勝敗を左右するといっても過言ではない。

☆―告知―☆

ITR代表取締役 内山悟志 基調講演のご案内

― ITR主催 エグゼクティブフォーラム ―――――――――――
『IT Trend 2014』
~デジタルイノベーションによるビジネス価値の創造~
2014年5月14日(木) 京王プラザホテル(東京・新宿)
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「IT Trend 2014」は、企業経営者やCIO、経営企画部門の意思決定者の方々を対象としたエグゼクティブフォーラムです。

今回は「デジタルイノベーションによるビジネス価値の創造」をテーマに、ITRの内山悟志(代表取締役/プリンシパル・アナリスト)による基調講演、米国コンステレーション・リサーチ社 会長 兼 プリンシパル アナリスト R “レイ”ウォン氏を招聘した特別講演に加え、ITRのアナリストが集結し、全12セッションが予定されています。

■開催概要
日時:2014年5月14日(水)10:00~18:20(開場9:30)
会場:京王プラザホテル コンコードボードルーム(東京・新宿)
主催:株式会社アイ・ティ・アール
定員:600名

■プログラムと参加登録
http://www.itr.co.jp/event/forum140514/index.html
*事前登録制* ご招待ID【DOL008】の入力で無料登録

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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