2013年12月20日、21日の2日間にわたって、米フロリダ州マイアミのカーレース場「ホームステッド・スピードウェイ」で、ロボットの競技会が開かれた。
ロボットの競技会と言っても、いわゆる「ロボコン」ではない。人よりも大きなヒューマノイド・ロボットを中心としたロボットが15体集まり、それがあらかじめ定められた8つのタスクを行うというものだ。
主催したのは、DARPA(米国防高等研究計画局)。年間予算28億ドル強を持ち、それを全米の大学や企業に配分して、先端研究の補助を行う。DARPAは、もともと1958年に始まったARPA(高等研究計画局)が元になっているが、ARPAが設立されたのは、ソ連のスプートニク打ち上げで予期せぬ脅威をアメリカが味わったことがきっかけだった。
先端研究を推し進めることで、このような突然の脅威を受けることがないようにする。それがDARPAの目的だ。DARPAのホームページには、「戦略的脅威を生み、防ぐ」とあるが、それは、積極的に戦略的脅威になるような科学的、技術的な前線を作り出すという意味なのである。
このDARPAの補助の下では、GPS技術やインターネットが生まれ、最近では自走車開発を推進、そこからグーグルの自走車の元になった技術も生まれている。
事故を起こした原発の内部で
人に代わって活動することを目指す
さて、そのDARPAが今度はロボットを推進しようとしている。それも、災害時に最初の緊急対応ができるロボットだ。
もともとこの「DARPAロボティクス・チャレンジ(DRC)」は、福島原発事故が発案のきっかけを作った。