給与の収入金額(月給+ボーナス=年収)-給与所得控除=給与所得
給与所得-各種所得控除=課税所得
課税所得×税率=所得税(住民税)

 税務上の用語では、収入と所得が上記のように違っているので間違えないようにしてもらいたい。

 式をもう一度説明すると、収入から給与所得控除を引いて、給与所得を算出し、そこから、配偶者控除や扶養控除などの所得控除を引いて算出した所得に税率をかけて、支払う税金を決めるのである。

ビジネスパーソンは税務上「損」をしているか

 ビジネスパーソンは、税務上「損」をしていると言われることがある。古くは、「大島訴訟」といわれる「サラリーマン税金訴訟」があった。その主張は、①サラリーマンに必要経費を認めないのは不公平だ、②クロヨンと呼ばれるように、自営業者、農家などと所得の捕捉率に格差があり給与所得者は不利益を受けている、③給与所得者は他の所得者のように特別措置が設けられていない、というものだった。

 いまだに、このような主張をする人がいるが、それは税金の実態を知らないためだ。

 なぜなら、給与所得者には、「給与所得控除」という極めて大きな控除制度があるからだ。以前100億円稼いだ人の給与所得控除額は約5億円超であった。会社で経費が支給されているにもかかわらず、個人所得税の計算上5億円も概算の経費を計上できる国は世界中どこにもない。給与所得控除というのは、極めてビジネスパーソンを優遇している税制なのである。

 これは、故田中角栄氏が総理大臣だったころ、列島改造と大幅減税をしたときに、きわめて大きな概算経費をサラリーマンに与えたためである。

 個人事業主は請求書や領収書を取っておき、経費であると主張しない限り、税務上の経費として認めてもらえない。だが、給与所得者の場合、給与を得るために経費を使おうが使うまいが、給与の一定比率で経費が認められているのである。