2008年9月15日、ついにリーマン・ブラザーズが破たんすると、その後数日の間に、アメリカ投資銀行業界は急激に変化することになります。1800年代以降のアメリカの歴史の中でも重要な役割を果たしてきた5大投資銀行が、約半年足らずの間で全て消滅する運命を辿るとは、それまで一体誰が想像したでしょうか?
リーマン・ブラザーズが破綻したのと同日の9月15日、全米第3位の投資銀行であったメリルリンチは、バンク・オブ・アメリカによって救済合併されることが発表されます。直前までリーマン買収の可能性すら取り沙汰された同社が、あっという間に救済される側に回ることになったのです。それくらい、先の見えない状況が、日々刻々と続いていました。
そんな状況の中、翌週9月22日、投資銀行第1位のゴールドマン・サックスと、第2位のモルガン・スタンレーはいずれも銀行持ち株会社を作り、投資銀行は子会社へと姿を変えることが承認されます。銀行持ち株会社であればアメリカ連邦準備理事会(FRB)の監督下となるため、いざという時にFRBから直接的に資金を供給してもらうことを可能にするためでした。
こうして、3月のベアー・スターンズの救済合併、9月のリーマン・ブラザーズ破綻とメリルリンチ救済、さらにゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの銀行持ち株会社への移行を持って、アメリカの5大投資銀行は全て消滅しました。
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1800年代から、米国資本主義の隆盛を形作った「投資銀行」は、自らの作った仕組みとその複雑さを前に、たった半年の間に姿を消す結末を迎えたのでした。
米投資銀行の消滅で
日系金融機関が存在感増す
破綻したリーマン・ブラザーズについては、以前から買収の打診をしていたバークレイズが、その北米投資銀行部門の買収を早々と決めました。そしてその数日後、残りの部門買収に関して、驚きのニュースが飛び込んできます。