3.取引先の仕入れ値を叩くだけ叩く

 業績が悪くなると、当然ですが原価や経費の使い道に社長の目がいきます。

 これまでどんぶり勘定で、細かい経費のことはあまり気にしていなかった社長でも、さすがに赤字が続くと、当然ですが経費の見直しに着手します。

 ですが、ここで問題なのが経費の見直し方法です。

 売上が悪いから仕入価格の値下げを求めても当然だ、業績が悪いから人件費をはじめとする各種経費の引き下げ交渉を行うのは当たり前、という価値観だと社員はもちろんのこと、取引先も離れていってしまいます。

 重要なのは、相手も納得できる方法を模索することです。

 連載第1回で、黒字申告割合が3割未満のお話をしましたが、自社だけが黒字になればいいのかというと、そうではありません。

 当然ですが、自社と取引のある会社にも黒字でいてもらわなければなりません。
自社も取引先も相互に利益を得られる関係を構築することこそが、社長が実践しなければならないことなのです。

 自分だけが良ければそれでよい、自社だけが生き残ればそれでよい、という考え方では赤字から脱することはできません。