「急激な円安のせいで利益率が落ちた」は、
本当なのか?

 売上不振のもう一つの要因は、店舗数の減少です。前期の第三四半期(平成24年9月期)までは、出店数と閉店数がほぼ均衡し、店舗数は横ばいでした。

 ところが、前期の第四四半期から閉店数が出店数を大きく上回るようになり、当期の第三四半期(平成25年9月期)までの累計では、出店47店に対して閉店は135店に達しています。

 つまり、日本マクドナルドの売上不振は、顧客の流出や外食市場の縮小といった企業外部の要因よりも、経営戦略や組織体制といった企業内部の要因がむしろ大きいと考えられます。

 では、利益率の低下についてはどうでしょうか。粗利率については、前期の第三四半期(平成24年9月期)までが17%~18%台で推移していたのに対し、当期の第一~第三四半期(平成25年1月~9月期)は15%台後半と大きく低下しています。

 その原因について、四半期報告書では「急激な円安等の影響」としています。確かに円安の影響は否定できません。しかし、同業のモスフードサービスの粗利率が前年同期対比横ばいで推移していることを考えると、円安のためだけと片付けることはできないでしょう。