彼らの共通点が「遊び心」です。端的に言うと、子どもの「カン」を忘れず持っています。この「カン」、キャラクター番組以外の仕事でも、応用が効くことがわかりました。
――それが、アイデア発想の原点なのですか?
はい、子どもの「カン」みたいなものを体系化できないか、と。そこで考えたのが、「子ども力」。子どものころのシンプルな行動と「カン」をビジネスに応用する力です。かつては誰もがみんな子どもだったので、技術で発想できると思ったのです。
――それが、「半径3メートル発想術」ですね。
人間は、地に足の着いた発想しかできません。目の届く範囲3メートル以内です。日本でも海外でもそれは変わりません。
では、身のまわりの観察を、どうすればできるのか? そこで、「3つのステップ」が重要になってきます。
退屈したら、何かすぐ遊びを考えるのが、子ども。人間の本能となるものです。それを呼び起こすために、「3つのステップ」を紹介します。
「半径3メートル発想術」は、
「3つのステップ」から始める
ひとつ目は、「なぜなにクエスチョン×3」。子どもは質問に対し回答すると、また質問してきますよね。これを繰り返すことで、抱えている問題の本質がわかります。つまり、アイデアのゴールがみえてきます。アイデアはアタマ(スタート)から考えがちですが、ゴールから考えればいいのです。ここでは割愛しますが、アイデアのゴールは「喜怒哀楽+怖」の5つしかありません。
ふたつ目は、「気になるコレクション」。カンをためるクセを養います。気になるモノは、将来何かに役立つ可能性があります。だから、子どもは拾う。本書では「未知の知」と称していますが、何かに発展するかもしれません。
みっつ目は、「雑談リフレイン」。話の輪を広げるクセをつくります。子どものように同じ話を、相手を替えて何回もします。すると、リアクションが変わります。だんだん、届ける相手が見えてくるというわけです。