アイデアのバトンを
伝える極意

――これまで携わってきた作品は、2世代以上に受け継がれていく作品が多いですよね。長く愛されていく商品・サービスに育てるにはどうすればいいのでしょうか?

 アイデアのバトンをどう取り出して、どうバトンを受け継いでいくか、その時代における人の「幸せ」を常に見失わないことが大切です。

――結果が伴わず、続かないこともあると思います。

 バトンを渡すだけではなく、「四季」のサイクルをイメージして、次世代に受け渡していく。「春」を迎える前にあたる「冬」の時代もありますが、いずれまた「夏」の盛りに向かっていくのです。

 すぐに結果が出なくても、「花」と「種」のバトンを繰り返す長いサイクルで捉えていく視点が大切です。せっかく急いで「花」を咲かせても、実を結ばない「あだ花」になっては、アイデアの「種」は世代を超えていかないのです。

長いサイクルを続けていく秘訣として、火は消さないようにすることです。風向きを読んでいれば、必ずどこかでタイミングは来ます。かすかでも火種を残しておけば、チャンスはめぐってくるもの。それを我慢できずに、終わらせてしまうのは、とても残念です。

 お客さんに消費されるスピードは、年々早くなっているように感じます。しかし、オワコンはありません。「アイテム」だけでも「物語」だけでもなんらかのかたちで、残していくことが大事です。

――最後に、メッセージをお願いします。

 今回、番組のプロデュース経験を基に、アイデア発想の本を書きました。アイデアに関連する本は確かにいろいろあります。この本は、誰もが一度は見たことがあるだろうという番組をとりいれているところが特色です。そこをきっかけに、わかりやすく入っていけるのではと思います。アイデアは、限られた人のものではなく、皆が同じように発想できることをお伝えしてきました。アイデア発想とは、センスではありません。テクニックを磨くことでビジネスや日常を変革していってください。


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