「3つのステップ」と「5つの組み立て」でアイデアが生まれた。このアイデア、そのままでいいのだろうか? いままでは自分中心で進められてきたが、次からはさまざまな人の意見やアドバイスでブレることもある。一生懸命考えたアイデアを活かすためにも、アイデア診断のテクニックを身に付けよう。
本連載の1回目は、「なぜ、アイデアは技術で生み出せるのか?」を中心に解説した。2回目以降は、『アイデアにセンスはいらない』の著者・梶淳氏をお招きし、アイデアを育てる課程から世の中へ送り届けるまでを「思いつく」「組み立てる」「確かめる」「診断する」「継続する」の順に、インタビュー記事で構成する。
天才も自由に発想しているわけではない
――「思いつく」「組み立てる」を経て、アイデアをつくりました。このまま進めていいのでしょうか?
自分の思いついたアイデア、「ヒットするのか?」「採用されるのか?」という期待と不安があると思います。そのために、ここでは、「確かめる」についてお話ししていきたいと思います。
「考えついたアイデア、本当にそれでいいのでしょうか?」
その答えになるものを、私の出会ったプロフェッショナルたちが持っていました。彼らは自分なりの「教科書」を持っています。
びっくりしたのは、「天才」と呼ばれる人ほど、あきれるくらい基本に忠実です。
また、彼らは、子どもが教科書に落書きするかのように、落書きアレンジがとても上手い。自分なりに何かに置き換えてしまっているのです。なにか教科書になるものを一つ手に入れれば、アイデアに対する不安は解消されます。
――梶さんは、何を教科書に用いているのですか?
私は、アイデア診断に、世阿弥の「風姿花伝」を使っています。原書では、「花と、おもしろきと、めづらしきと、これ三つは同じ心なり」とありますが、これを
“そのアイデアは「新しいか?」「面白いか?」「珍しいか?」”
と、アレンジしてアイデア診断に活用しています。なにか一つ見つけてしまえば、いいと思います。