メッセージを引き立てるため、後で曲をつけた

佐々木 実は、子どもの頃、社会という科目がすごく嫌いだったんですよ。

小林 私もです。苦手でした。

佐々木 最初、「日本国憲法」の本と聞いて「どうしよう」と思ったんです。まあでも、小林さんが読まれてるから、「聴いてみようかな」と。ところが、聴いているうちに気づいたんですけど、意味がわかりだしたんですね。今まで、憲法のことをちょっと遠ざけていた理由は「何が書かれているかよくわからないし、読んでいても頭に入ってこない」からだったんです。それが、このCDを聞くと、何をここで言おうとしてるかが、文字で見るよりもわかるんですよ。これってすごい不思議な感覚でしたね。マジックのような感覚を初めて感じました。

小林 憲法の朗読、挑戦して良かったです。。。。

佐々木 内容がじわっと入ってくるんですよね。文字だと硬くて頭に入ってこないんですけど、小林さんの声を通じて聞くと「あ、こういうことなのか」と、和らぐ。

小林 実は、そこには演出があるんです。私の朗読スピード、トーンに合わせて、音楽をオリジナルで制作していただいているのです。

佐々木 あとから曲を付けてるんですか。それは、すごい。

小林 そうなんです。今回、エイベックスさんが制作されているので、音楽!という強みが最大限、生かされた「朗読CD」になっているのです。

佐々木 なるほど。言ってみるなら槇原敬之さんとか古内東子さんの曲のつくりかたと同じだったのですね。歌詞=メッセージが先で、その次にメロディをのせる。そうするとメッセージ性の強い音楽ができます。

小林 そうなんですね!そういう効果があるのですね! 普段、ナレーションを録音するときは、曲を聞きながら、録音することが多いので、イメージもスピードもつかみやすいのですが、今回は音楽なしの無音だったので、正直、最初戸惑いました。でも、その方法で録音したことで、よりナチュラルな作品に仕上がったと思います。オリジナル曲がとてもステキで、心地が良いので、「よく眠れる」と友人から言われました(笑)。憲法聞きながら、寝るのも悪くないですよ! 敬遠せず、ぜひぜひ、『聴く日本国憲法』聴いて欲しいです。