リバース・イノベーションの
ヒントになる5つのギャップ
【性能のギャップ】
ポケットに少しのお金しかない途上国の人々は、私たちが富裕国で慣れ親しんできたような高いレベルの性能を求めることはできない。(略)だからといって、彼らがイノベーションを必要としていないわけではない。(25ページ)
【インフラのギャップ】
インドで医療分野のインフラが未整備だったことを受けて、GEヘルスケアは携帯型心電計の技術を大きく進歩させた。これはその後、富裕国にも影響を与える技術開発となった。(26ページ)
【持続可能性のギャップ】
中国は大気汚染問題に悩まされている。(略)中国が電気自動車に力を入れるのは、無理もないことなのだ(筆者注・実際に中国企業には先進的な電気自動車メーカーが生まれている)。(28ページ)
【規制のギャップ】
規制による影響を受けない途上国のほうが、より早くイノベーションが進展する可能性もある(筆者注・実際に安価な診断用複合検査紙を途上国で開発した米企業がある。先進国では認可まで長期間かかる)。(29ページ)
【好みのギャップ】
途上国の食生活で定番となっている食材の多くは、富裕国ではめったに食べられない。たとえばペプシコはインドで(略)、ほとんどのアメリカ人が食べつけてこなかったレンズ豆を原料とした新しいスナック菓子を開発した。(30ページ)
クリステンセンは『イノベーションのジレンマ』(翔泳社、1997)で、「高機能製品を開発する企業が、技術で劣る企業の新製品によって、市場トップの座をいとも簡単に奪われてしまう」現象を解明し、これを「破壊的イノベーション」と名付けました。リバース・イノベーションは、先進国の大企業を脅かす「破壊的イノベーション」にもなりうるのではないでしょうか。
◇今回の書籍 54/100冊目
『リバース・イノベーション』
もはや単なる輸出では勝てない。新興国の巨人が先進国に攻めてくる前に、新興国市場を攻略せよ。全世界的ベストセラー!! 世界トップ3の経営思想家(2011年Thinkers50)が、豊富な企業事例を交えて近未来の競争のルールを提示する。画期的な新戦略コンセプト「リバース・イノベーション」の唯一の原典。
ビジャイ・ゴビンダラジャン/クリス・トリンブル:著
渡部典子:訳
本体1,800円+税
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