2040年には当然のことながら全体的に高齢者が増えて、高齢化率(65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合)は高まっていきますが、地域によって相当大きな差があります。750以上の市町村では2040年にかけて高齢者の絶対数も減っていく一方、東京は高齢者の数が爆発的に増えて超高齢化になります。地域間で大きなアンバランスがあるなかで、2040年に向けて相変わらず今のような地方から東京に人が動くという状況が、より加速されていくでしょう。

 我々が出したデータを見ていると、秋田県は25市町村のうちほぼすべての自治体で存続が難しくなると思われますが、大潟村だけは違います。なんと人口わずか三千数百人の大潟村では、女性人口が15%増えるという試算が出ているのです。戦後の食糧不足に対応するため干拓地として生まれ、大規模機械化した効率的な農業経営で戦い抜いた村で、TPP(環太平洋経済連携協定)の行方がどうであれ、農業改革が迫られるこの時代に経営基盤がしっかりしているからこそ若い女性が増え、子どもが増えています。規模は小さくとも、自治体を維持できている良い例です。

 ですから、今後は人口推計のデータを活用しながら、「何を飯のタネにしていくか」をきちんと考えて、取り組んでいくことができれば、2040年には相当大きな違いとなって表れるのではないでしょうか。

――特に地方で人口減少を起こしている最も根深い、最大の要因とは何でしょうか。

 社人研は人口の大都市圏への社会移動が今後鈍ると予測していますが、我々はよりリアルに都市圏への流入が毎年6~8万人続くとの前提にして推計を出しました。やはりこの人口流入こそが最も大きな問題だといえます。

 地方は一般的に出生率が高いところが多いので、いまはなんとか人口を保っていますが、今後は若い人たちの東京や他の大都市への人口流出を止めるべきです。一方都市部は、若い人たちが大勢来るわけですから、都市部こそ少子化対策をしっかり行わなければなりません。こと東京に限っていうと、徹底した少子化対策はもちろんのこと、ご都合主義かもしれませんが、高齢者に地方へ移住してもらうことも考えるべきです。

 現在、東京都では待機介護老人が4万3000人と言われていますが、2040年には後期高齢者(75歳以上)がその2倍に増えます。しかし一方で、20代、30代の男女は今より40%も減るわけです。そうなれば、もはや東京で介護が成り立ちうるとは思えません。そのなかで、東京が成長を遂げるには、高齢者の地方移住を促さなければなりません。

 すなわち、これからは3つの対策が必要です。①地方から東京への人の移動をどう食い止めるか。②都市部では、本当の実のある少子化対策を徹底的に行う。③東京では、少子化対策と同時に地方へ人の流れを促す、ことです。