また、冷夏は日本経済にも少なからぬ悪影響を与える。第一生命経済研究所は、「冬までエルニーニョが続けば、今年度のGDPを0.3%押し下げる可能性がある」という分析を発表している。ビジネスマンにとって、外回りがし易くなっても会社の景気が悪くなれば元も子もない。これは痛し痒しだろう。

地球環境ともリンクする「異様な夏」
今世紀末に年平均気温は最大6.4度上昇?

 さて、問題は今後も日本でこうした「異様な夏」が続くのかどうかだ。実は我々が不安を覚える「異様な夏」は、現在の地球環境とリンクしている。結論から言うと、今回のエルニーニョ現象はこれから長期的に続く「異様な夏」の序章であり、また一時的な冷夏はあったとしても、今後も日本の夏は暑くなる一方である、ということだ。様々なデータを基に考察していきたい。

 2013年9月、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は第五次報告書を公表し、2100年に世界平均気温が最大4.8度上がり、海面は最大82センチ上昇すると予測した。

 1880年以降、世界の平均気温は約0.85度上昇しているが、20世紀半ば以降の気温の上昇については、経済成長に伴う人為的な産業活動によって引き起こされた可能性が極めて高いと強調している。

 専門家はどう見ているのか。30年以上に渡って環境問題に携わる、NPO法人ネットワーク「地球村」代表・高木善之氏は、「IPCCの第五次報告書でも指摘されているように、事態がどんどん悪化しているのは事実」と話す。

「CO2などの温暖化ガスが蓄積され続け、温室効果は強くなる一方です。また、気温は全世界で均一に上がるのではなく、地域によって寒暖差は大きくなっています。海水の温度も海流の関係で全体で均一に上がるのではなく、太平洋の一部の水温が上がるエルニーニョ現象、水温が下がるラニーニャ現象なども発生し、気象と大きく関わっています」(高木氏)