ここで、お客様が稟議書を作成するシーンを想像してみましょう。
稟議書の作成をお手伝いして競合を退ける
まず、稟議書は誰が作成すると思いますか?
多くの場合、稟議を起案する部門の担当者が書きます。
では、どのくらいの期間で作成できると思いますか?
お客様によってスピードの違いはありますが、早いお客様で1週間程度、遅いお客様では3週間程度の日数がかかると考えてください。稟議書はあなたが提出した提案書をもとに作成されることが多いのですが、お客様にとっては日常業務外の作業が加わるわけですし、書き慣れたお客様は少ないので、予想以上に負担となります。提案書や見積書の情報を、稟議書の形式にそった、過不足のない内容にまとめ直す作業は、全体像を熟知している営業マンだからこそお助けできることです。
あなたが支援することで、お客様の稟議書作成日数は3日間程度に短縮できます。作成の時短だけでなく、競合他社からのアプローチを未然に防ぐことができるのも大きなメリットです。
この段階まできても、契約にこぎ着けた、と安心はできないのです。契約締結のときは、競合会社も必死に値引きや決裁者への直接アプローチなどを行いますので、すきを見せてはいけません。
ところで、皆さんの中には稟議書を見たことがない営業マンも多いかもしれません。
多くの日本企業の場合、稟議書はお客様の決裁プロセスの中心です。
そこには、あらゆる重要な情報が詰まっています。
たとえば、先の5項目はもとより、稟議決裁者、同意者、閲覧者などの部門・役職・名前など決裁にかかわるすべての情報がわかります。
ですから、稟議書で知ることができたお客様側のキーマンの情報を、次の商談案件の発掘や契約締結に活かしていきましょう。
お客様が稟議書作成を始めたシグナルとは?
注意が必要なのは、お客様がいつ稟議書作成にとりかかるのか、そのタイミングを見逃さないことです。
そう言われても、お客様企業に居座るわけにもいかず、困りますね。
でも、安心してください。
お客様が稟議書の作成にとりかかると、シグナルが出てきます。提案書を出した後、お客様からの問い合わせが増え始めるーーこれです。メールや電話が、多い日には2〜3回来ることがあります。
ただし、競合している場合、あなたの提案した商品・サービスが競合他社に比べて有利な状況か不利な状況か、判断に迷うかもしれません。
そうした見極めに役立つのは、次のふたつです。