ひとつは、先ほど挙げた問い合わせの回数です。有利であれば問い合わせが多く来ますし、不利な状況では少ないと思ってください。
 もうひとつの方法は、あなたから面談を申し入れた際に時間をいただけるかどうか、です。約束がもらえれば有利なことが多いので、目安にするとよいでしょう。なぜなら、お客様は契約する気のない会社と会っても聞くことがありませんし、気まずく感じるだけなので断る場合が多いものです。

稟議決裁後も攻めの気持ちを忘れない

 無事、稟議書が作成され、稟議決裁されたら契約書の捺印です。

 このとき営業マンは契約書の捺印だけに目を奪われがちです。ですから、営業リーダーは、少し広い視野で攻めの気持ちを持って、次に挙げるいくつかの重要なポイントを外さないよう営業マンに注意喚起しましょう。

 たとえば、契約書の捺印前には、自社内で、この契約のリスクを明確にしておくことが大切です。

・代金を回収できるか
・プロジェクトスケジュールに無理がないか
・納期は間に合うのか

 など、事前にわかれば策を講じてリスクを回避できる場合も多いからです。

 また、お客様側にプレスリリース(メディアへの情報開示)が可能かどうか、確認しましょう。新聞や雑誌、あるいはウェブサイトなどのメディアで記事になると、広告以上に効果があるといわれています。ですから記事につながるよう仕掛けて、多くの将来のお客様発掘につなげていきましょう。

 もうひとつ、契約書を受領するときに大切な活動があります。

 それはお客様のトップ(社長)とお会いして提案と決定のお礼、そして今後の納入や新提案といった活動を全力でおこなう意思を伝えることです。社長にまで会うなんて!と、躊躇したり遠慮する営業マンが多いのですが、“受けてもらえれば儲けもの”と気楽に構えて、勇気を出して必ずお願いしてみましょう。そして、あなたの会社のトップも同行するよう調整をしてください。

 お客様側の担当者、責任者、担当取締役そして代表取締役など、接点を多く持てれば、お客様との信頼関係が強く太くなり、将来の受注につながります。


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