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「働き方」という経営問題―The Future of Work―

メールでの問い合わせは禁止!
世界中の社員の知恵を「社内SNS」で手に入れる

河合起季
【第4回】 2014年7月11日
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 結果、半年もすると、多くのメンバーがチャターによる成功体験を積み重ね、しっかり根づいていった。今では「おそらくアクセンチュアの中でも、世界中の情報をスピーディに集めるということに関してはダントツのツールでしょう」というほどの信頼ぶりだ。

 「日本の若手メンバーも最初は英語のコミュニケーションに戸惑いがありました。でも今では、マレーシアの事情が知りたいといったときに、そういえば以前にチャターでやりとりした彼はマレーシア人だったから聞いてみようという関係がつくれるようになっていますね」

 もう1つ、大きなメリットとして挙げているのは、リーダーが示すビジネスやプロジェクトの方向性を共有できることだ。

 「ピーターはSNSにいろいろなことを書いていますから、日々どういうことに関心を持っていて、どんなニュースに注目しているかということがよくわかるんです。離れていてもすごく距離が近く感じられます」

 組織のスケールが大きくなればなるほど、リーダーを理解し、みんなが同じ方向を向くことが必要。その点でも大きく貢献しているわけだ。

「しゃべってはいけないオンライン会議」
でも社内SNSを活用

 同社ではこのチャターのほか、日本、中国、シンガポール、欧州、米国など、地域ごとに新規事業案を発表する会議において、「しゃべってはいけないオンライン会議」を3ヵ月ほど前から始めている。各地域の代表者が3分話す間は、文字通り、他の参加者はしゃべってはいけない。ひたすら、それについての意見や情報をメッセンジャーに書き込むだけだ。

 「従来のオンライン会議では、地域ごとに30分ぐらいかけて議論していましたが、このシステムなら1時間ですべての地域の議論が終わります。会話がない分、時間を短縮できますし、コメントはデータとして残るため、メモの必要もありません」

 何とも画期的な試みだが、ここまでいかなくても、「ソーシャルネットワークを利用した自社内のナレッジ共有や協力体制の確立」は、あらゆる業態の企業や組織で取り入れることができるだろう。

 日本の企業文化は、SNSのようなオープンなコミュニケーションに慣れていない。しかし、その壁を突き破ることさえできれば、アクセンチュアのように強力な「仕事の知恵袋」を手に入れることができるはずだ。

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「働き方」という経営問題―The Future of Work―

人口減少による働き手の不足と経済・社会のグローバル化が、企業経営を取りまく大問題となっている。そのなかで、企業が競争優位性を築くためのキーワードとして浮上しているのが「ワークスタイル変革」だ。識者への取材や企業事例の紹介を通じて、すべての企業と働く人に問われている「働き方」の課題を明らかにしていく。

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