破綻した英会話学校大手NOVAが今週(11月27日)、ジャスダック市場から「上場廃止」処分を受ける。消費者に不利な解約ルールに最高裁からノーを突き付けられたうえ、「誇大広告」「不実告知」などの違法行為で経済産業省から業務停止命令を受けた果ての末路である。

 だが、30万人とも40万人とも言われた受講生の多くは今なお、受け入れ先が決まらず、授業料を返還して貰えるメドもたたない。外国人講師の処遇も抜本的には進展していない。問題は、ほとんど解決していないのが実情なのだ。

 さらに、ここへきて、そんな“NOVA事件”に、新たに疑惑が浮上してきた。同社が何年も前から粉飾決算をしていたのではないか、との疑惑である。事実とすれば、監査法人も責任を免れない。“NOVA事件”の闇は一段と深まるばかりだ。

 まず、破綻したNOVAが今夏公表していた有価証券報告書(昨年度分)の連結財務諸表の注記をご紹介しよう。

 それによると、NOVAは、<売上高のうち、主な収入である駅前留学サービス収入は、主として「入学金」ならびに「受講料」(うち45%が「NOVAシステム登録料」であり、残りの55%が「NOVAシステム利用料」であります。)から構成>され、そのうち<「入学金」および「NOVAシステム登録料」については、契約時に収益として計上し、「NOVAシステム利用料については、契約期間に対応した期間にて均等計上して>きたという。

 つまり、NOVAは、受講生から受け取った受講料を、「NOVAシステム登録料」と「NOVAシステム利用料」に分別し、「NOVAシステム登録料」を契約時点で売り上げとして計上していたというのである。

 だが、考えてみれば、この処理は非常に奇妙である。というのは、受講者が契約しかしていない段階で、NOVAが売り上げに計上するのならば、「NOVAシステム登録料」は本来「入学金」の中に含まれていなければおかしいからだ。