2025年「倒産ドミノ」勃発!?倒産危険度ランキング【上場434社・最新版】 #19Photo:PIXTA

倒産危険度(Zスコア)が“危険水域”と判定された企業の中でも、Zスコアが急速に悪化している企業には注意しよう。経営に変調を来し、財務状況が悪化している恐れがあるからだ。特集『2025年「倒産ドミノ」勃発!?倒産危険度ランキング【上場434社・最新版】』の#19では、Zスコアが1年前よりも特に悪化した企業50社をピックアップした。会計処理を巡る問題で、上場廃止寸前まで追い込まれたENECHANGE(エネチェンジ)が8位に入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

上場廃止寸前まで追い込まれた
エネチェンジが悪化度8位

 倒産危険度(Zスコア)が“危険水域”と判定された企業の中で、1年前からZスコアが悪化した企業について、ダイヤモンド編集部はワーストランキングを作成した。その結果、3月に発覚した会計処理を巡る問題で、上場廃止寸前まで追い込まれたENECHANGE(エネチェンジ)が8位に入った。

 電気自動車(EV)の充電設備の特別目的会社(SPC)について、それまで同社は連結範囲に含めていなかった。だが、同社を担当するあずさ監査法人が、このSPCの非連結扱いについて不正を疑い問題視したのだ。

 この会計処理を巡っては、内部統制上の問題も浮上した。創業トップである城口洋平最高経営責任者(CEO)が、SPCに対して不透明な間接出資をしていることなどが明るみに出た。「経営者の不正があった」と主張するあずさが、担当を辞任する場面もあった。

 こうした混乱の中で、2023年12月期の有価証券報告書の提出は遅れに遅れた。それでもエネチェンジは、最終猶予期限となる7月10日の前日に何とか滑り込みで提出する。期限に間に合わなければ上場廃止になるところだった。

 7月9日の有報提出で、23年12月期の純損益が49億円の赤字だったことが明らかになった。2月発表時の純損益と比べ、赤字幅が37億円も拡大した。SPCの連結化で、それまで計上が認められていた売上高・利益が相殺されたことや、EV事業で減損損失が発生したことなどが原因である。

 これにより、エネチェンジは23年12月末時点で14億円の債務超過に陥った(その後、2月に産業革新投資機構の出資を受けており、3月末時点では純資産のプラスを確保)。一連の責任を取る形で、城口CEOは7月末で辞任に追い込まれている。

 もちろん気を付けるべきなのは、エネチェンジばかりではない。危険水域にある企業の中でも、Zスコアが急速に悪化している場合は注意が必要になる。経営に変調を来している恐れがあるためだ。それでは、悪化度でワースト50にランクインした企業の顔触れを、次ページで見ていこう。