三菱商事が2020年に“非”資源の純利益を今の2倍にする計画を掲げている。一方、資源は市況次第だとして利益目標を掲げることをやめた。その真意を探った。

 ここ数年、資源価格の高騰を追い風に純利益を伸ばしてきた三菱商事が、今後は「資源に頼らない」成長を目指すことを打ち出している。

 5月上旬、小林健社長は2013年度の決算説明会の壇上で、昨年掲げたある目標について、あらためて触れた。

 その目標とは、「20年ごろをめどに、機械や食料といった“非”資源分野からの純利益を12年度の2倍にする」というもの。

 しかも、「20年には、3500億円を、非資源で稼ぎたい」(小林社長)というのだ。

 「13年度は資源以外で約2600億円の収益を上げる体質になってきた」ことで、小林社長は自信を深めている。その水準は商社の中でもトップ。だからこそ、12年度時点ですでに1770億円(実績値は1943億円)あった非資源の利益を倍増させるという、商社の中でも強気の計画を推し進めているのだ。

 その自信の源となっているのが、13年度決算の内容だ。自動車事業などを抱える機械が、前年度から57%の増益になるなど全ての非資源分野が増益となった。結果的に、非資源の純利益は2590億円と、過去最高益を記録。資源の1716億円を大きく上回り、全体の60%を非資源が稼いだ形となった。