週刊ダイヤモンド
 本誌恒例のマンション特集も、かれこれ1年ぶり。

 リーマンショックに相次ぐ不動産会社の破綻、昨年パニック状態だった消費者心理は決して、決して落ち着いたとは思えないのですが、特集の取材のために何件か訪れたモデルルームは老若男女で賑わっていました。

人手が足りず、本社部門からも大量に人が販売現場に送り込まれていると言います。 

 トヨタ自動車やソニーなど、日本を代表する企業の社員ですら明日をも知れぬ状況なのに、「高額消費の最たるものである家をなぜ今?」と一見不思議な状況ですが、「不況に萎縮することなく、冷静に底値で物件を買うチャンスを狙っている方が一定数以上いる」ということなのでしょう。

 不動産不況で業界がどん底にあるからこそ、これまで高値で売られている物件が割安で買えるのではないか――。そう判断される方が増えているようです。
 
 供給側にも様々な動きがありました。つい先日までは「バッタもの」扱いされて来た、新築在庫の買い取り再販ビジネスが“市民権”を得たこともそのひとつでしょう。

 特集内でも採り上げましたが、なにしろ物件の「仕入れ」には事欠かないうえ、投資コストを抑えることができ、それでいて売れるということで、新興不動産会社のみならず、大手企業も買取再販事業に参入しているようです。

 分譲が始まってからもほとんど人が入居せず、管理も行き届かないマンションは多いといいます。再販業者の手によって全国にあまたあるそんなマンションが息を吹き返すのは悪いことではないはず。

 元の売主から高値で物件を購入した消費者にとっては、あまり面白くない話かもしれませんが、「空き室ばかりでゴーストタウン化しているマンションに住み続けるよりはマシ」と割り切る方も増えているようです。

 新築でも坪100万円前後でマンションが買えるとなれば、顧客層も広がります。再販マンションの顧客には、これまで家を買うことにはあまり縁のなかった若年層や、セカンドハウスとして購入する老年層などもいるとか。

 「終の住まいとして、アフターサービスもつくかどうかわからない物件を当初の価格だけで選ぶべきではない」という声が大手デベロッパーからは多いですが、業界環境が激動の渦にあるなか、「これまで画一的だったマンション市場に色々なプレイヤーや商品が登場している」と肯定的に捉えてもよいのではないでしょうか。

 ただし、物件ごとにどんなリスクがあるのかをしっかり認識、納得した上での話ですが。

 本特集では、「そろそろ買おうか」と迷っておられるかたも、実際に物件の物色を考えられている方にも、また、すでに入居されている方にも役立つ情報をてんこ盛りにしました。

 「物件ランキングや相場価格ランキングに加え、恒例の管理会社ランキング」などの資料編も充実した保存版です。物件検討のお供にぜひどうぞ!

(『週刊ダイヤモンド』編集部 鈴木洋子)