ついにネットブック市場に参入したソニーが手がける「バイオW」。これまでにない高級志向のビジュアルと、ケタ違いの利便性を誇る高解像度液晶がウリだ。今後の市場トレンドを、塗り変える可能性がある。

 PCの売り上げが好調だ。直近では、売り上げ額が10%以上減少している月もあるのだが、台数ベースではずっと好調を続けている。

 その理由は、言うまでもなく「ネットブック」がヒットしているからだ。実は、ビジネス向けのPCはあまり芳しくないのだが、コンシューマ向けはネットブック以外も対前年を上回っている月が多い。

 さて、一向に収まる気配を見せないブームを受けて、国内の大手メーカーも続々とネットブックに参入している。最初にNECと東芝がネットブックを投入し、前シーズンには富士通もラインナップした。

 この夏、遅れていたソニーがようやくネットブックを発表し、市場にプレーヤーが出揃ったところだ。

 今回、注目してみたいのは、ソニーが新たに投入した「バイオW」である。非常に美しいデザインで、従来のネットブックとは一線を画する完成度の高さを誇っている。

 店頭で他のネットブックと比べるとわかるのだが、バイオWだけがシンプルで美しい。それに対して、他のネットブックは、最近流行中のテカテカと光る外観のモデルが多い。

 実はそれには、単に流行だけでなく、「コストダウンのために塗装をせずに済むから」という理由があるためだ。

 本体に柄を入れると言っても、いわゆる“インプリント成型”を施し、樹脂の下層に模様を入れたフィルムを配置しているのだ。結果、どのモデルを見ても、プラスチック感の強い仕上がりになっている。

 当然、樹脂がむき出しだから、塗装をして全体の外観を整えるわけにはいかない。ネットブックが全体として安っぽく感じる理由は、こんなところにあるのだ。

 ところがバイオWは、シンプルなデザインながら安っぽさがほとんど感じられない。「さすがソニー」と言うほかない“こだわり”が感じられるのだ。

 ネットブックと言えば、「モバイルデータ通信とセットにした100円販売」を思い浮かべる方が多いだろう。その善し悪しは別として、ネットブックブームの牽引役となっているのは、間違いない。