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「働き方」という経営問題―The Future of Work―

クラウド環境での開発を初体験した
システムエンジニアが抱いた危機感
――日本版「MOOC」の開発者に聞く

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第6回】 2014年8月8日
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800文字のレポートをすべて
スマホで打ち込んでくる生徒も出現

 話をgaccoに戻そう。サービス開始から順調に受講者を伸ばしているgaccoは、受講者からの評判も上々だ。

 「アンケート調査では、受講後の満足度は9割を超えるという、極めて高い評価が得られました。米国MOOCは前述した「Cousera」と「edX」の2つが代表的サービスですが、受けた講座の修了率は平均5%程度。対してgaccoの講座である『日本中世の自由と平等』(東京大学の本郷和人教授)の修了率は約18%と驚異的な数字です。日本の受講者の方は、非常にまじめに取り組んでいただいています」(小林氏)

 一方、大学教授から「自分もgaccoに講座を持ちたい」というオファーも次々と舞い込んでいるという。

 講座数が増え、バラエティに富んでくれば、それだけ受講者の年齢や受講形態も広がってくる。前出した『日本中世の自由と平等』の講座では、中学生から80歳まで幅広い年代が受講した。

 また、オンラインのため、場所や時間を選ばずに「すき間時間」でも受講できる。

 「通勤通学の時間帯にモバイルの受講者が多いなど、利用しているデバイスや時間帯も即座にわかります。驚いたのは、修了テストに800文字のレポートを書かなければいけない講座で、そのレポートをスマホから全文打ち込んだ受講者がいたことです。カリキュラムの内容についてと同じぐらい、スマホやPCの操作に関するテクニカルな問い合わせも来ています」(渡辺氏)

 さらに海外展開も視野に入る。大学教授による本格的な講座の内容は、当然世界に発信できるクオリティを持っている。海外から受講できるようにする展望もあるという。受講システムのマルチ言語対応は、次のバージョンからは対応可能になる予定だ。それに併せて、講座コンテンツの翻訳も講座ごとに検討しているという。

 大学の授業の受け方も様変わりする可能性があるが、それを支えるシステムの開発者にも、新しい能力が求められる時代なのだ。

(取材・文/ダイヤモンド・オンライン編集部 指田昌夫)

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人口減少による働き手の不足と経済・社会のグローバル化が、企業経営を取りまく大問題となっている。そのなかで、企業が競争優位性を築くためのキーワードとして浮上しているのが「ワークスタイル変革」だ。識者への取材や企業事例の紹介を通じて、すべての企業と働く人に問われている「働き方」の課題を明らかにしていく。

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