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「デジタルな日常」を生きる

デジタルをふんだんに生かしたレストラン
トリニータで考える

松村太郎 [ジャーナリスト・著者]
【第20回】 2014年8月5日
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デジタルネイティブ世代との
親和性の高さも

ウェイターがオーダーを取る際に利用するのはiPod touchとアプリ「Waiter」。テーブル番号とメニューをタップすると、自動的にレジで集計され、キッチンにオーダー票がプリントアウトされる仕組みだ Photo by T.M.

 トリニータでは、Bluetoothを使って店の前に来た際にクーポン情報を配信するiBeaconや、スタッフの勤怠管理にも、クラウドとスマートデバイスを活用している。例えばシフトをクラウド上で組んだら、その内容をメールで送信して伝えることができる手軽さもある。

 また、普段使い慣れているスマートフォンやタブレットで仕事ができるとして、アルバイトにやってくる学生にとっても、習得の速度が速く、楽しんで仕事がしてもらえる。もちろん専用端末も、すぐに使い方を覚えられるだろうが、馴染みのデバイスはより身近に感じることができるそうだ。

 ただ、シフト表やスタッフ間の連絡をメールで行おうとしたら「メールは見ないのでLINEにしてほしい」との希望が出た点は面白い。シフト管理のシステムが今後、シフト表をメールではなくLINEのグループに共有する機能を追加すれば、追加の投資などがなくても問題を解決することができるだろう。

 ケータイが登場し若者が熱中していた頃、パソコンなどと比較してビジネス界からは「おもちゃだ」という認識が続いた。しかし自分たちが持つようになって、必須のツールとなったころには、若い感性を生かしてビジネスの舵を切った企業が市場を席巻していた。

メニューにもひと工夫。製本されたメニューの他に、iPadに表示するウェブマガジン形式のメニューも用意。大きな写真が料理の魅力を伝えてくれる Photo by T.M.

 スマートフォンも「おもちゃ」の認識を脱しており、日本に限らず世界中でビジネスでいかに生かすか、その活用に取り組んでいるフェイズだ。そのためには、今までのやり方や常識を一旦忘れたり、「おもちゃ」時代から慣れ親しんできた世代に耳を傾けることも必要だ。

 テクノロジーを自然に使っているだけでは、解決できない問題だろう。

 例えば、新しい興味が持てるテクノロジーを発見し「ネイティブ世代」に自分がなれるかどうか。あるいはネイティブ世代を見つけて深く観察したり話を聞きながら、自分のビジネスを新たにできるかどうか。ぜひ考えてみてほしいテーマだ。

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松村太郎
[ジャーナリスト・著者]

まつむら・たろう/1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「スマートフォン新時代」「ソーシャルラーニング入門」など。

「デジタルな日常」を生きる

スマホ、SNSなど、毎日の暮らしに欠かすことのできなくなったネット環境とデジタルツール。その一方で、セキュリティやプライバシーの問題、ツールへの依存、ネットコミュニティとの関わり方など、日々新たな問題が現れ、状況は変化している。私たちは「デジタルな日常」をどう生きていけばいいのか、米国シリコンバレー在住の記者が、生活者の目線で解説する。

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