「みんなよりすごい!」
という感覚を持たせてあげる
小学校低学年の子どもが、たまたま計算が速くて親や先生から「○○ちゃんは計算が速いね」とほめられる。すると、その子は「自分は計算が得意なんだ! みんなよりすごいんだ!」という感覚を持って、さらに計算をやりたくなっていく。
「子どもを勉強好きにさせるコツ」があるとすれば、それは「得意なんだ!」という感覚をできるだけ早く植えつけることだと私は思います。
授業では「一人一人の子どもに得意感覚をどう持たせるか」を考え、またお母さんとの面談においても、「どんなことでもいいので、子どもに『得意だ!』『できる!』という感覚を持たせてあげてください」とお願いしています。
私の友人に「将来、自分の子どもを甲子園に行かせるんだ」と言っている人がいました。とはいっても、高校野球で甲子園に行くのは簡単なことではありません。そこで私が興味本位で「どうやって、子どもに野球をやらせるの?」と聞くと、次のような答えが返ってきました。
「子どもは単純なんだよ。まわりの子よりちょっとうまければ、それがきっかけでどんどん好きになって、自分から練習するようになるよ。だから、幼稚園くらいのときからキャッチボールを早めにやって『まわりの子よりちょっとうまい』という状況にしておけばいいんだよ」。